---
title: "他人を殴ると何の罪？"
date: 2021-09-03
author: 益田樹
slug: 1391
permalink: https://criminal.darwin-law.jp/column/1391/
tags:
  - 傷害
---

今回のコラムは、Ａという者がＶという者を１回殴ったという架空のケースを題材に、Ａがどのような罪に問われてしまうのかを考えてみます。他人を１回殴ったから暴行罪に問われるというのは誰しも思い浮かぶものでしょうが、殴って生じた結果などによっては適用される罪が変わってくるのです。

*目次*

- [暴行罪](#section1)

- [傷害罪](#section2)

- [傷害致死罪](#section3)

[殺人罪の成否](#section3-1)

- [傷害致死罪の成立](#section3-2)

- [過失致死傷罪](#section4)

- [公務執行妨害罪](#section5)

- [他人を殴る事案における弁護活動](#section6)

- [まとめ](#section6)

![](https://criminal.darwin-law.jp/wp-content/uploads/1707296_s.jpg)

### 暴行罪

> 
##### 刑法

（暴行）  

第２０８条  

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、２年以下の懲役若しくは３０万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

詳しくみる

ケース１ Ａは、Ｖに対する腹いせのために、Ｖの顔を拳で１回殴った。Ｖは、幸いにもケガをすることはなかった。 刑法２０８条にいう「暴行」とは、人の身体に対する有形力の行使を指します。Ｖの顔を拳で殴ることは、人の身体に対する有形力の行使といえますから、「暴行」に当たります。Ｖは、幸いにもケガをしませんでしたので、「人を傷害するに至らなかった」といえます。 したがって、ケース１では、Ａに暴行罪（刑法２０８条）が成立します。

### 傷害罪

> 
##### 刑法

（傷害）  

第２０４条  

人の身体を傷害した者は、１５年以下の懲役又は５０万円以下の罰金に処する。

詳しくみる

（１）傷害罪の成否 ケース２－１ Ａは、Ｖに対する腹いせのために、Ｖの顔を拳で１回殴った。Ｖは、全治１０日間の顔面打撲のケガを負った。 ケース１と異なり、Ｖは、全治１０日間の顔面打撲のケガを負っています。「傷害」とは、人の身体の生理的機能を毀損したことを指します。人の身体の生理的機能の毀損というと難しく感じますが、ごく簡単な例を言えば、人の身体にケガをさせることが挙げられます。Ｖは、全治１０日間のケガを負っていますから、人の身体の生理的機能の毀損があったといえ、「傷害」に当たります。 したがって、ケース２－１において、Ａに傷害罪（刑法２０４条）が成立します。 （２）ケガをさせるつもりはないとの弁解 ケース２－２ Ａは、Ｖに対する腹いせのために、Ｖの顔を拳で１回殴った。ただし、Ａは、Ｖにケガをさせようなどとは考えていなかった。Ｖは、全治１０日間の顔面打撲のケガを負った。 それでは、ケース２－１と異なり、Ａが「Ｖにケガをさせるつもりはなかった。」と弁解したとしましょう。この場合、Ａには、傷害罪（刑法２０４条）が成立するのでしょうか。 答えは、「成立する。」です。ここは議論があるところなのですが、一般的に、傷害罪は、暴行を働いたがケガをさせるつもりはなかったとしても、結果としてケガをさせるに至ってしまった場合には、適用される罪と考えられています。そのため、いくらＡが「Ｖに対する腹いせでＶを殴ったことは間違いないが、ケガをさせるつもりはなかった。」と弁解したところで、Ａには傷害罪が成立することになります。刑罰の内容も「１５年以下の懲役又は５０万円以下の罰金」と重い刑罰が科されることになってしまいます。

### 傷害致死罪

> 
##### 刑法

（殺人）  

第１９９条  

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは５年以上の懲役に処する。  

（傷害致死）  

第２０５条  

身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、３年以上の有期懲役に処する。

詳しくみる

ケース３ Ａは、Ｖに対する腹いせのために、Ｖの顔を拳で１回殴った。ただし、Ａは、Ｖにケガをさせようなどとは考えていなかった。Ｖは、Ａに殴られた衝撃で脳震とうを起こして倒れ、街路の縁石に後頭部を強く打ち付けた。Ｖは、街路の縁石に後頭部を強く打ち付けたことを原因とする外傷性くも膜下出血により、間もなく死亡した。 ケース２―２と異なり、Ｖが死亡してしまったケースを考えてみましょう

#### 殺人罪の成否

このケースを読んだときにぱっと思い浮かぶのは、殺人罪（刑法１９９条）の成立ではないでしょうか。確かに、条文上は「人を殺した」と規定されていますので、ケース３はこれに当たるようにも思えます。 しかし、Ａは、ケガをさせようなどとは考えていませんでした。Ａの行為は、Ｖを１回殴ったという非難されるべきものではありますが、殺人罪の典型例であるナイフで腹部を突き刺したという行為とは大きく異なりますし、殴った回数もたった１回です。このような場合にまで、Ａに殺人罪の責任を問うのは酷とはいえないでしょうか。 そもそも、殺人罪が成立するためには、殺意（殺人罪の故意）が必要となります。様々な理解はありますが、殺意とは、自分の行為が人を殺すほど危険なものであると分かっているにもかかわらず、あえてその行為に及ぶことを認めることをいいます。ケース３では、ＡがＶを殴っていますが、Ｖの死因は、縁石に後頭部をぶつけたことによる外傷性くも膜下出血ですから、Ａの殴打そのものがＶの死を直接招く危険性の高い行為とはいえません。Ａも「ケガをさせるつもりはなかった。」と考えていますから、Ａは、不幸にも偶然が重なってＶを殺してしまったと評価せざるを得ません。そのため、Ａには、殺人罪の責任を問うことはできません。

#### 傷害致死罪の成立

このケースでは、Ａには、Ｖを暴行し、結果として人を死亡させるに至ったため、傷害致死罪（刑法２０５条）という罪が成立します。ケース２－２と同様に、「Ｖに対する腹いせでＶを殴ったことは間違いないが、ケガまでさせるつもりはなかった。」との弁解は通用しません。刑罰の内容も「３年以上の有期懲役」と刑期の下限が決まっている非常に重いものになっています。

### 過失致死傷罪

> 
##### 刑法

（過失傷害）  

第２０９条  

１項　過失により人を傷害した者は、３０万円以下の罰金又は科料に処する。 ２項　前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。  

（過失致死）  

第２１０条  

過失により人を死亡させた者は、５０万円以下の罰金に処する。

詳しくみる

ケース４ Ａは、ボクシングの練習をしており、Ｖが近くにいるとは思わずにうっかりＶの顔を拳で１回殴ってしまった。Ｖは、全治１０日間の顔面打撲のケガを負った。 ケース２と異なり、ケース４は、Ａが、腹いせでＶを殴ったのではなく、偶然Ｖを殴ってケガをさせてしまったケースです。この場合は、Ａは、Ｖを殴ることを全く意図していなかったことになります。しかし、殴るという行為は、周りに注意して行わなければケガを招いてしまうことが必至の行為です。そのため、うっかり他人を殴ってケガをさせてしまったというようなケースでは、過失傷害罪（刑法２０９条１項）に当たることになります。Ｖから捜査機関に対してＡの処罰を求める申告があると、Ａは、同罪に問われることになります（同条２項）。 ケガではなく、生じた結果が死亡結果であると、Ａの行為は、過失致死罪（刑法２１０条）に当たります。この場合には、Ｖの告訴は不要です。Ｖは死亡しているので、告訴することができませんし、生じた結果も人の生命を失わせるという重大なものであるためです。

### 公務執行妨害罪

> 
##### 刑法

（公務執行妨害…）  

第９５条  

１項　公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、３年以下の懲役若しくは禁錮又は５０万円以下の罰金に処する。

詳しくみる

ケース５ Ａは、職務中の警察官Ｖから適法に職務質問を受けた。Ａは、Ｖに対する腹いせのために、Ｖの顔を拳で１回殴った。 Ｖが職務中であり、Ａに対して適法に職務質問をしていた場合、Ａは、公務執行妨害罪（刑法９５条１項）に問われます。実は、公務執行妨害罪における「暴行」は、刑法２０８条にいう「暴行」とは異なる考え方であり、対象となる行為は刑法２０８条の「暴行」よりも広いものが当たります。本コラムでは、この概念について詳述しませんが、他人を殴ることは、公務執行妨害罪における「暴行」に含まれるので、ケース５では、Ａに公務執行妨害罪が成立します。

### 他人を殴る事案における弁護活動

　他人を殴るといった行為は、小学生でもわかる極めて単純な行為です。しかし、そのような行為によってどのような犯罪が成立するのかという問題については、実はそこまで単純な問題ではありません。単なる暴行罪にとどまるような場合であっても、逮捕、勾留がなされてしまうケースはあり得ますし、それ以上に重い犯罪として取り扱われるケースもあるのです。  

　したがって、他人に手を出してしまった事実については、争いようのない事実であったとしても、どのような犯罪が成立するのかという点について弁護士が争える余地は十分にあり得るのです。すべてを認めてしまうことによって、不当に重い刑が科されるようなことは避けなければなりません。   

　また、示談交渉も極めて重要になります。特に、傷害を負ってしまっている事案の場合には、交通事故等の関係で慰謝料が通院・入院時期との関係で相場化されていることもあり、交渉に知識が求められることになりますし、刑事事件が終了する前に示談が成立していなければ意味がありませんから、傷害が完治する前に示談を成立させなければいけないという問題もあります。   

　以上のとおり、比較的単純だと思われる犯罪行為であっても、求められる弁護活動は、刑事事件の弁護士の高度な専門性が求められることになるのです。

### まとめ

今回は、他人を殴ったというケースを題材に様々な罪について概観してきました。他人を殴ったがために自分が思っていたよりも刑罰の重い罪に問われ得ることがよく分かったと思います。 現実では、人を殴ってしまったことの背景には様々な事情があります。もちろん、それらの事情には、汲まれるべき致し方ないものもあります。もっとも、人を殴ることが出来事の正しい解決方法とは思えません。今回のコラムのように、他人を１回殴ることが、時として重大な刑罰を科されることに繋がってしまうこともあるのです。たかが他人を１回殴ってしまっただけだとは考えず、専門家である弁護士に相談して、自分が問われる罪は何なのか、どのように解決していけばいいのかなどと、自分の今後をしっかりと考えることも重要です。