第一審の判決について、判決書が直ちに交付される訳ではないため、控訴するかどうかを検討するにあたって、判決宣告の日に裁判官が読み上げる内容を十分に理解しておく必要があることは前の解説で述べました。
控訴審判決についても同様です。
しかしながら、第一審判決と異なり、控訴審においては、弁護人等による控訴を棄却する場合であっても、その理由付けについて詳細に検討します。また、弁護人の主張や検察官の主張の是非に加えて、第一審判決の内容等についても引用した上で判断するので、聞いているだけでは、控訴審の判断内容について話しているのか、第一審判決の内容を引用しているのかについて聞き分けることが困難な場合があります。
控訴審の判決が宣告された後、その内容についても不服がある場合には、最高裁判所等に対する上告を行うかどうかを検討する必要がある訳ですから、御自身で十分に理解できなかった場合には、裁判所の判断がどのようなものであったのかについて、その日の内に弁護人に確認することが重要です。
なお、控訴審の判決日が、控訴審における公判期日の後、どの程度の期間をおいて宣告されるかどうかですが、量刑のみが問題となるような簡単なケースであれば、公判期日の翌週に言い渡される場合もあります。
既に、控訴趣意書については、公判期日の前に確認している訳ですから、判決の概要についても、公判期日には既に決まっている場合もあるのです。
したがって、公判期日が指定された段階で、判決宣告の日も迫っていることを十分に認識した上で、控訴審判決後の方針について、打ち合わせを行っておく必要があります。