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麻薬及び向精神薬取締法違反について

初めに麻薬及び向精神薬取締法違反事件について解説を行い、本ページ後方に解決実績を掲載しております

1 麻薬及び向精神薬取締法違反事件とは

 麻薬及び向精神薬取締法とは、麻薬の所持や施用等の行為を規制するために制定されている法律です。この法律で規制されている「麻薬」とは、法律の別表で、「三―アセトキシ―六―ジメチルアミノ―四・四―ジフェニルヘプタン(別名アセチルメタドール)及びその塩類」のように定められています。
 ですから、一般の方からすれば、「麻薬」とは何なのかについて、具体的に把握することは極めて困難です。私達がご相談いただくことの多い、「麻薬」とされる薬物は、一般的にコカインと呼ばれるものやヘロインと呼ばれるものが多いです。しかし、「コカイン」と呼称されている薬物を規制するのではなく、あくまでもその成分が含まれている薬物を規制する法律です。ですから、「コカイン」と呼ばれている薬物を所持していたとしても、その薬物に規制対象となる成分が含まれていなければ、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪は成立しません。

2 麻薬及び向精神薬取締法違反の成立要件

 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪は、麻薬又は向精神薬を施用・所持、輸入・輸出、譲り受け・譲り渡した場合等に成立します。正当にこれらの薬物を取り扱うためには許可が必要となりますから、一般の方が麻薬や向精神薬を摂取したり所持したりした場合には、それだけで麻薬及び向精神薬取締法違反の罪が成立してしまうことになります。
 麻薬として指定されている薬物の中には、海外では適法な薬物として一般的に使用されているものもあります。例えばコカインの原料となるコカの葉は、南米ではコカ茶等として飲用されています。しかし、海外で適法とされているものであっても、日本においては違法な薬物として取り扱われてしまいます。
 海外で市販されている商品を日本国内に持ち帰ったことで、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で逮捕されてしまった事案もありますから、薬品を国外から日本に持ち帰る際には慎重な判断が必要となります。

3 麻薬及び向精神薬取締法の罪の故意

 他の薬物犯罪と同様に、麻薬及び向精神薬取締法も、過失で麻薬や向精神薬を所持してしまった場合に刑罰を科していません。したがって、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪の成立には、所持等していた薬物が、麻薬や向精神薬であることを認識している必要があります。そして、この麻薬及び向精神薬取締法違反についての「故意」は、所持していた薬物が麻薬や向精神薬であることを確信していなくても、身体に有害である違法な薬物であることについての認識があれば、未必的な認識があったとして、故意が認定されてしまいます。
 所謂脱法ハーブ等を使用するつもりで購入した薬品が、麻薬であったとして逮捕されたという事案も多く見られますが、脱法ハーブの場合、何らかの薬理効果を目的に購入されていることが多く、脱法ハーブだと思っていたというだけでは、故意は否定されません。適法なものだと確信していたことを主張できなければ、麻薬及び向精神薬取締法の罪が成立してしまうことが多いのです。
 特に、脱法ハーブを販売している店舗は、短期間で店をたたんでしまうケースも多く認められます。市販されていたことを理由に、適法な薬物であると認識していたことを簡単に裏付けられるという訳ではないのです。ですから、違法ではないという誘い文句に安易に応じるべきではありません。不眠等の症状の改善を目的とするのであれば、きちんと処方された薬を用いるべきでしょう。

4 よくご相談いただく行為態様

(1) 単純所持

 麻薬又は向精神薬を所持していた場合に成立します。職務質問等を機に発覚することが多いです。また、所持量が多い場合や、他人に麻薬や向精神薬を有償で譲り渡していた形跡がある場合には(大量のパケや秤を所持していた場合など)、営利目的所持として、より重い罪に問われる可能性があります。

(2) 施用

 大麻と異なり、麻薬や向精神薬については、その薬物を服用しただけでも、麻薬及び向精神薬取締法に違反します。尿検査等によって陽性反応が示されると、現行犯として逮捕される場合もありますが、簡易鑑定の結果だけで逮捕するのではなく、本鑑定を待って逮捕に踏み切るケースもあります。
 この場合には、捜査機関による最初の取調べから逮捕されるまでの間に、一定期間の猶予がありますから、その間に弁護士に相談する機会を設けることができます。薬物事犯については逮捕を回避することは至難の業ですが、逮捕時期を遅らせることで、勾留期間に向けた準備活動を行うことが出来ますし、身体拘束期間を短くすることも可能です。できる限り早期の段階でご相談いただくことが肝要と言えるでしょう。

(3) その他の態様 

 他に、麻薬又は向精神薬を国外から国内に持ち込んでしまった事案などについてよくご相談をいただきます。麻薬及び向精神薬取締法違反については、輸入しようとした麻薬の内容によって、裁判員裁判の対象となるものもあります。裁判員裁判の対象となるかどうかによって、手続の流れは大きく変わります。この意味でも、早い段階で弁護人のアドバイスを受ける必要がある事件類型ということができます。

5 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪の弁護方針

(1) 犯罪事実を認める場合

ア 弁護方針

 薬物犯罪については、弁護人が選任される段階で、既に薬物が押収され、押収された薬物が御依頼者様の所持品であることについて、捜査機関に対して自白している件が圧倒的に多いです。鑑定によって違法な薬物であることが明らかになることとの関係で、違法な薬物を所持していたことについて確定的な認識を有していらっしゃらない場合であっても、「悪いことをしてしまった」と考えてしまう方が多いように思います。
 確かに、薬物事犯において無罪を主張することは容易ではありません。しかしながら、上述した故意の問題の他に、捜査機関による違法な捜査が行われやすい犯罪類型でもあります。ですから、違法捜査を理由に無罪を主張する可能性も含めて、慎重に弁護方針を定める必要があります。

イ 身柄拘束からの早期の解放

 薬物事犯については、証拠の核となる薬物そのものは押収されていますから、事後的に罪証隠滅を図りにくい犯罪類型であるといえます。したがって、前科との関係で実刑が強く見込まれるなど、逃亡のおそれが強く認められる事案でなければ、保釈の請求は認めてもらいやすい事案といえます。早期の身体拘束からの解放を目指して、早期に保釈請求の準備を行う必要があります。
 また、大麻取締法違反の罪と同様に、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪との関係でも、罪を認めている場合には、積極的に即決裁判手続の利用を検討するべきです。即決裁判手続とは、刑事訴訟法第350条の16以降に定められている手続で、執行猶予付きの判決の宣告を確実にできることに加えて、起訴後2週間以内に判決の宣告を受けることができる手続です。通常の手続と比較すると、裁判の期間を半分以下にすることができます。他方で、控訴審において事実誤認の主張ができなくなる等のデメリットもありますから、手続の利用の際には弁護人と相談していただく必要があります。
 即決裁判手続を利用しなくても、執行猶予付きの判決を得られる可能性が高いとしても、裁判手続を早く終わらせることで、御依頼者様の次の生活を早期に始めさせることができます。
 特に、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪の場合、大麻取締法違反の罪と比較すると、犯情が悪質であるとして、検察官が即決裁判手続の利用に消極的なケースもみられます。無罪主張の弁護活動を行うのではなく、執行猶予付きの判決を得ることを目標として定めることができた場合には、早期の段階から検察官に即決裁判の手続によることについて、検察官に働き掛ける必要があります。

(2) 犯罪事実を否定する場合

 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪を否定する(否認する)事件の場合の多くは、所持していた薬物が麻薬や向精神薬であることを認識していなかったとして、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪の故意を否定するケースです。
 一方、故意を争う以外にも、捜査機関による職務質問や所持品検査などの違法性を主張することで、無罪を主張することも考えられますし、捜査機関による捜査の違法性が認められたことで、無罪の判決が言い渡されることは、決して珍しい訳ではありません。薬物は容易に投棄することによって罪証隠滅を図ることが出来るので、捜査機関としても無理な捜査を行いがちな犯罪類型といえるのです。
 しかしながら、捜査の違法性をどのように主張するかについては、事案によって区々です。適法な捜査に難癖をつけるだけでは、無駄に裁判を長期化させるだけになってしまいます。経験のある弁護士と綿密な相談をして、弁護方針を定める必要があるでしょう。

6 法定刑一覧(参考条文)

①麻薬及び向精神薬取締法第64条(ヘロイン等の麻薬の輸入等)

1項:ジアセチルモルヒネ等を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者は、一年以上の有期懲役に処する。
2項:営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは三年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。
3項:前二項の未遂罪は、罰する。

②麻薬及び向精神薬取締法第64条の2(ヘロイン等の麻薬の所持等)

1項:ジアセチルモルヒネ等を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、交付し、又は所持した者は、十年以下の懲役に処する。
2項:営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上の有期懲役に処し、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3項:前二項の未遂罪は、罰する。

③麻薬及び向精神薬取締法第64条の3(ヘロイン等の麻薬の施用等)

1項:12条第1項又は第4項の規定に違反して、ジアセチルモルヒネ等を施用し、廃棄し、又はその施用を受けた者は、十年以下の懲役に処する。
2項:営利の目的で前項の違反行為をした者は、一年以上の有期懲役に処し、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3項:前二項の未遂罪は、罰する。

④麻薬及び向精神薬取締法第65条(ヘロイン等の麻薬以外の麻薬の輸入等)

1項:次の各号の一に該当する者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
–1号:ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第1号から第3号までに該当する者を除く。)
–2号:麻薬原料植物をみだりに栽培した者

2項:営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上の有期懲役に処し、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3項:前二項の未遂罪は、罰する

⑤麻薬及び向精神薬取締法第66条(ヘロイン等の麻薬以外の麻薬の所持等)

1項:ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、七年以下の懲役に処する。
2項:営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上十年以下の懲役に処し、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3項:前二項の未遂罪は、罰する。

⑥麻薬及び向精神薬取締法第66条の2(ヘロイン等の麻薬以外の麻薬の施用等)

1項:第27条第1項又は第3項から第5項までの規定に違反した者は、七年以下の懲役に処する。
2項:営利の目的で前項の違反行為をした者は、一年以上十年以下の懲役に処し、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3項:前二項の未遂罪は、罰する。

<大麻取締法違反事件に関する法定刑一覧>
犯罪の種類 法定刑

ヘロイン等の麻薬の所持

10年以下の懲役

ヘロイン等の麻薬の営利目的所持

1年以上の有期懲役(及び500万円以下の罰金)

ヘロイン等の麻薬以外の麻薬の所持

7年以下の懲役

ヘロイン等の麻薬以外の麻薬の営利目的所持

1年以上10以下の懲役(及び300万円以下の罰金)

 

7 解決実績

 弁護士荒川香遥、弁護士野俣智裕、並びに、対応弁護士による、解決実績は下記の通りです。

事案 弁護方針
友人から譲り受けた煙草を喫煙した後、捜査機関による尿検査を受けたところ、麻薬成分が検出されたため、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で取調べを受けることとなった事案 麻薬成分が体内に摂取されたきっかけとしては、友人から譲り受けた煙草を喫煙した機会しかありえないことを主張し、煙草の中に違法な麻薬成分が入っていたことを認識していたのであれば、その煙草を喫煙することはなかったことを主張し、検察官に対して不起訴処分とするように働きかけた結果、不起訴処分を獲得した。
海外の土産物屋で購入した薬品の中に麻薬成分が含まれていたとして、職務質問を受けた後、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で現行犯逮捕された事案 麻薬を服用していた形跡がないことに加えて、所持していた薬品を使用した形跡がなく、違法な成分が含まれていることを認識していた場合には、不必要なその薬品を所持することはあり得ないことなどを理由に、故意を欠くことから不起訴処分とするように検察官に働き掛けた。
その結果として、弁護人の意見が聞き入れられ、不起訴処分を獲得。
コカインを利用した状況で自動車を運転して事故を起こしたとして、麻薬及び向精神薬取締法等の罪で起訴された事案。御依頼者様は外国籍の方で、一時的な帰国を望んでいた。 服用した薬物が麻薬であったことの認識を争いつつ、保釈請求を行い保釈の許可を得た。その上で、家族が亡くなったことを疎明し、宗教上の儀式への参加を理由に、保釈中の一時帰国を裁判所に求めた。
裁判所は、保釈条件として海外渡航を禁止する条件を付していたものの、一時帰国を認容する決定を得られた。
売人から購入したコカインを所持していたことで、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で逮捕された事案。 捜査機関による捜査の中に違法な捜査と考えられる手続が存在しないことを確認した後、早期の段階で即決裁判手続を利用することを検察官に働き掛けた。
結果的に、即決裁判手続を利用して裁判が行われ、早期に執行猶予付き判決を得られた。

対応弁護士による、その他解決実績はこちらのページをご覧ください。

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