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窃盗罪について

1 窃盗事件とは

他人の物を盗む行為であり、罪が成立すると、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる犯罪で、刑法第235条に規定されています。

なお、配偶者、直系血族又は同居の親族の物を窃盗した場合については、窃盗罪は成立しません(刑法244条)。

また、窃盗罪は、刑事訴訟第250条により、7年で公訴時効となり、検察官による公訴が不可能になります。

2 窃盗罪の成立要件

窃盗罪は、刑法及び判例により「他人の財物を不法領得の意思を持って、窃取する」ことで成立するとされています。

(1)「他人の財物」とは

自分以外の人が所持しているものをいいます。

対象物は、基本的に、財布・時計・化粧品・宝飾品等の有体物のことを指しますが、電気なども財物とされています(電気窃盗、刑法245条)。

また、他人が実際に所持していない状態のもの(貸している、保管している)を所有者の意思に反し、盗んだ場合や、保管場所を移動させた場合も窃盗罪が成立します。

(2)「不法領得の意思」とは

当事者間の同意なく、他人のものを自分が使用するために得る意思のことをいいます。

窃盗罪は、「領得罪」にあたるため、領得の意思が必要です。

例えば、相手への嫌がらせのために、その人の持ち物を隠す・壊す等をした場合は、領得の意思がないため、窃盗罪ではなく、毀棄罪(刑法第258ー264条)にあたります。

(3)窃取することとは

周りに気づかれないように、こっそりと他人の物(お店の商品等も含む)を自分のものにすることをいいます。

3 関連する犯罪

(1)強盗罪(刑法第236条)

暴力・脅し等を用いて、他人の財物を奪い取る犯罪です。

もともとは、こっそりと窃盗する予定でも(窃盗罪)、窃盗した後、発見され、取り返しを防ぐために、逃走するために、暴行した場合、事後強盗として、より刑罰の重い強盗罪が成立します。

(2)遺失物等横領罪(刑法第254条)

他人が現実に所持していないもの、例えば失くしてしまったものや、漂流してきたものを横領(自己のものに)した場合は、遺失物等横領罪にあたります。

例えば、ゲームセンターに財布が置き忘れられていて、持ち主が近くにいる様子が全くない状況で、その財布を持ち去る行為等があたります。

なお、窃盗罪よりも量刑が軽く規定されているところ、窃盗罪になるか遺失物等横領罪になるかについては、明確な基準がありません。持ち主の支配力が及ぶ範囲にあるもの(ベンチに荷物を置いたまま散歩している等)を窃取した場合は、窃盗罪にあたります。

いわゆる「置引き」行為ですが、その態様によって、遺失物等横領罪・窃盗罪が判断されます。

4 よく逮捕・起訴されている行為(具体的態様)

(1)万引き行為(商品窃盗)

お店の客を装い、従業員が見ていない隙に、商品を窃盗する行為です。刑法上、「万引き」という罪はなく、この万引き行為は、窃盗罪にあたります。また、万引き行為が発見され、逃亡する際に、暴力を振るう等し、他人に危害を加えると、強盗罪が成立し、さらに重い刑罰が科されます。万引き行為は、現行犯逮捕が多くを占めますが、防犯カメラに撮影されていたものを基にお店が警察に被害届を提出し、その証拠を基に捜査がなされ、後日、逮捕される可能性もあります。

(2)空き巣(侵入窃盗)、車上荒らし行為

他人の家、車が無人の状態である時に、無断で侵入をし、財物を盗む行為です。

空き巣は、住居侵入罪(刑法130条前段)も成立しますが、この場合、より刑罰の重い窃盗罪によって処分されます。

(3)その他の行為

「置引き・スリ・乗り物盗」等があります。これらの行為も窃盗罪となります。

いろいろな手口、種類があり、比較的身近な軽い気持ちで犯してしまうことのある罪ですが、刑罰の幅を広く取り、重い罰も規定されています。

5 窃盗罪の弁護方針

(1)犯罪事実を認める場合

ア 弁護方針

窃盗罪は、被害が少額であったり、前科がなく、初犯であれば、比較的軽い刑罰で済むような場合や、逮捕されない可能性もありますが、常習犯や、被害が多額であったり、行為態様が悪質であると判断された場合、逮捕・拘留及び起訴される可能性が大きいです。

出来る限り速やかに弁護士を介入し、警察・検察官・裁判官へ弁護士から意見書を提出し、逮捕・拘留等されないように求めることが重要です。

もし、逮捕・拘留されてしまったとしても、弁護士より、いち早く釈放されるように、また、不起訴処分で済むように対処します。

イ 被害弁償

窃盗罪において、一番重要となるのが、被害者への被害弁償です。

民事(当事者間)において、被害弁償をきちんとし、示談を交わすことにより、不起訴処分となることができたり、たとえ起訴されてしまっても、執行猶予判決となる可能性が大きくなります。

なお、被害弁償・示談について、警察は被疑者が被害者へ接触することを拒むこともあります。また、被害者自身が被疑者と会うことを拒絶することもあります。

そのため、弁護士を介入し、迅速円滑かつ確実に被害弁償・示談をすることが、非常に重要となります。

ウ 再犯防止策(クレプトマニア対策)

窃盗に及んでしまう人の中には、経済的利得目的以外で、常習的に繰り返してしまう、「窃盗症」という精神障害を患っている方もいます。

この場合には、二度と同じ過ちを起こさないために専門の医療機関に通院するということも、重要になります。

また、窃盗を犯してしまう背景に、共犯者やその行為を助長させるような周囲の悪い環境がある場合もあります。その場合、現在の環境を断ち切り、環境改善を図ることが必要となります。

(2)犯罪事実を否定する場合

犯罪を否認する場合は、被疑者のアリバイ等、その証拠を探し集め、警察・検察官へ提示していくこととなります。

また、警察・検察官が有している証拠(防犯カメラの映像等)のおかしな点を見つけ指摘し、被疑者が犯人ではないことを証明していきます。

なお、否認していく場合、警察・検察官の取調べは非常に厳しいものとなります。

一度でも、自分が窃盗をしたという事実があるかのような供述をしてしまい、調書が作成されてしまうと、それを覆すことは、大変困難です。

犯罪事実を否認する場合には、専門家による証拠収集や、被疑者にとって不利になる調書を作成させないためにも、早期の弁護士介入が重要です。

6 法定刑一覧(参考条文)

①刑法第235条(窃盗)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

②刑法第236条(強盗)

  1. 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
  2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

③刑法第239条(昏酔強盗)

人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

④刑法第243条(未遂罪)

第235条から第236条まで、第238条から第240条まで及び第241条第3項の罪の未遂は、罰する。

⑤刑法第244条(親族間の犯罪に関する特例)

  1. 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の25罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
  2. 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
  3. 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

⑥刑法第245条(電気)

この章の罪については、電気は、財物とみなす。

⑦刑法第254条(遺失物等横領)

遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

⑧刑法第130条(住居侵入等)

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

<窃盗事件に関する法定刑一覧>

犯罪の種類 法定刑

窃盗

10年以下の懲役又は50万円以下の罰金

強盗

5年以上の有期懲役

遺失物等横領

一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料

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