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裁判の準備について

1 起訴された後の手続

 起訴された後、まずは起訴状が被告人のもとに届きます。この書面は、どのような事実によって裁判を受けることになったのかを明確に記した書面になります。

刑事訴訟法第271条1項

裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。

271条2項

公訴の提起があつた日から二箇月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。

起訴状に記載されている公訴事実は、逮捕状や勾留状に記載されていた被疑事実と同じケースが多いですが、捜査をした結果、異なる事実に変容している場合もあります。弁護方針を定めるにあたって、出発点となる事実ですから、起訴状の内容については正確に把握しておく必要があります。
 起訴状の他に、検察官が、裁判の際に証拠として用いる証拠書面についても、弁護人はその内容を確認することができるようになります。

刑事訴訟法第299条1項

検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。
刑事訴訟規則第178条の6第1項
検察官は、第一回の公判期日前に、次のことを行なわなければならない。
1号 法第299条第1項本文の規定により、被告人又は弁護人に対し、閲覧する機会を与えるべき証拠書類又は証拠物があるときは、公訴の提起後なるべくすみやかに、その機会を与えること。

 公訴の提起後、なるべくすみやかに証拠を確認させるように定められていますが、通常、起訴から2-3週間後に、検察官から証拠開示の準備ができた旨の連絡が入ります。
 弁護人は、連絡を受けた後、直ちにその内容を確認して、被告人と弁護方針について打合せを行うことになります。

2 弁護方針やケースセオリーの確認

 検察官から開示された証拠を確認することで、検察官がどのような証拠を用いて起訴状に記載された事実を証明しようとしているのかを知ることができます。
 しかしながら、検察官の手持ちの証拠を全て確認できている訳ではありません。この段階で弁護人に対して開示されている証拠は、あくまでも検察官が裁判で証拠として用いようとしている証拠に限ります。
 裁判においては、被告人に有利になる内容を弁護人としては主張していくことになりますが、どのような主張をするのかを検討するにあたっては、検察官の手持ちの証拠の内容について、出来る限り詳細に把握しておく必要がありますから、検察官が裁判において用いることを予定していない証拠についても、開示させるべきです。
 検察官が、裁判において提出を予定していない証拠について、開示を求めることを任意の証拠開示請求と呼びます。
 このような請求は、公判前整理手続と呼ばれる手続に付されている事案以外においては、法律上、弁護人に請求権が認められている訳ではありません。しかしながら、検察官としても、罪証隠滅のおそれが高まる等の理由がない限りは、適切な理由に基づく任意の証拠開示請求には応じてくれていますから、弁護人としては、出来る限り証拠の内容を開示させるように働きかける必要があるでしょう。
 このような請求によって、被告人に有利な内容の証拠を入手できることもあり得ますが、被告人に有利な主張を行うにあたって、捜査機関が作成した証拠によってその主張を裏付ける必要はなく、弁護人が独自に調査を行い、被告人に有利な証拠を作成することも必要です。
 このような証拠を前提に、裁判において裁判官に対してどのような主張をするのかを、被告人と弁護人との間で組み立てていくことになります。

3 書面の取り扱い

 検察官から、証拠として用いることを予定している証拠について開示を受けた場合、弁護人は、その証拠を裁判に用いる事について同意するかどうかの意見を述べなくてはなりません。

刑事訴訟規則第178条の6第2項2号

前項第一号の規定により検察官が閲覧する機会を与えた証拠書類又は証拠物について、なるべくすみやかに、法第326条の同意をするかどうか又はその取調の請求に関し異議がないかどうかの見込みを検察官に通知すること前項(ぜんこう) : immediately preceding paragraph、 the preceding paragraph

この刑事訴訟法326条の同意というのは、検察官から開示を受けた証拠について、証拠として利用することについての同意を意味しています。

刑事訴訟法第320条

第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
第326条1項

検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

検察官が開示する証拠書面は、捜査機関等が作成した書面ですから、基本的には「公判期日における供述に代えて」証拠としようとしている書面になります。ですから、刑事訴訟法が定める例外に該当しない限りは、弁護人が同意しなければ、証拠として用いることができないのです。
 弁護人としては、基本的にはこのような書面について同意する必要はありませんから、不同意意見を述べることを検討することになるでしょう。
 しかしながら、その内容が被告人に有利にもなり得る場合には、同意することも考えられます。また、不同意意見を述べた場合、検察官としては、その書面を作成した人間を証人として裁判所に呼ぶことになります。
 証人尋問が行われることによって、無駄に裁判手続を長期化させることで、被告人に不利益が生じるかもしれませんし、例えば、被害者の方が裁判所に証人として呼ばれることによって、裁判官の目の前で如何に甚大な被害を被ったのかについて証言され、被告人に対する心証が悪化することも考えられます。
 したがって、検察官から開示を受けた証拠について、証拠として用いることに同意するのかどうかという判断については、裁判所においてどのような主張をするのかとの関係で、慎重に判断する必要がありますし、弁護士の専門的な知見が求められるのです。

4 尋問の準備

 裁判において、最も大きな手続が尋問になります。法的な主張等については弁護人が行いますから、被告人や証人となる方が事前に何かを準備する必要はありませんが、尋問については、被告人や証人となる方が、裁判官の前で直接お話することになりますから、事前に入念な準備が必要です。
 如何に、弁護人が適切な主張を組み立てていても、その主張を裏付けるための被告人や証人のお話の信用性が低ければ、裁判官は弁護人の主張に見向きもしてくれないでしょう。したがって、尋問の準備との関係では、誰にどのような話をしてもらうかということを決めるだけでなく、どのように裁判官に対して話をするのかについても、打合せをしておく必要があります。
 この点、台本を作った上で、その内容を丸暗記するのは無意味です。尋問は、被告人や証人が自由に発言できるのではなく、弁護人や検察官からの質問に答える形で行われます。台本を丸暗記することによって、弁護人からの質問には対応することができても、検察官による反対尋問で簡単に崩されてしまうからです。
 検察官による反対尋問について、予想される質問の全てに回答を準備するのも不可能ですから、弁護人からの質問に対する回答を準備すればいいのではなく、裁判官に何を伝えたいのかを明確に意識した上で、尋問の練習に取り組む必要があります。
 この点についても、実際に検察官や裁判官がどのような点を気にして尋問を行うかどうか等について予測ができないと、適切な準備は不可能です。
 弁護人の能力が試される局面といえるでしょう。

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