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痴漢事件における逮捕

1.痴漢事件で逮捕されるか

 刑事事件においては、最終的にどのような刑罰が科されるかという点に加えて、最終的な判断が下されるまでの間、警察署等に身体を拘束されたまま捜査を受けることになるのか、これまでの生活を続けながら、必要に応じて警察署等に出頭して取調べを受けるような形で捜査が進むのかという点が非常に重要になります。

 それは、起訴されてしまった場合であっても、裁判所や検察庁等から職場に連絡が行くことはほとんどないため、会社に露見することなく裁判を受け終えれば、社会的地位を失うことはない一方で、起訴されることがなかった場合であっても、逮捕されてしまうと、その間は出勤することができない訳ですから、会社を退職せざるを得なくなってしまうかもしれないということを考えれば分かりやすいかと思います。

 会社外部で痴漢事件を起こしたことが、懲戒解雇事由に該当する会社は限られていると思いますし、冤罪の場合には会社を退職しなければいけない理由はありません。それでも、痴漢事件を理由に逮捕されてしまったことが会社に露見してしまうと、会社にい続け難くなり、退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまうケースは珍しくないのです。

 したがって、これまで築いてきた社会的地位や信頼関係を維持するという意味では、まずは逮捕を避けるということが極めて重要になります。

 痴漢については、日常的に発生している犯罪であることから、悪い行為であるということは理解されていても、逮捕されるほどの重大な犯罪ではないと思われている方が多いように感じています。

 確かに、被疑者の方が逮捕されない痴漢事件も多く認められますが、痴漢を理由に逮捕されている事案は決して珍しくありません。

2.現行犯逮捕

 まず、痴漢事件においては、痴漢をしている際や痴漢が行われた直後に、被害者の方や目撃者の方から声を上げられることが多く、そのまま駅員室や警察署に連行されるケースが多いものと思われます。

 このなかで痴漢事件においてもっとも懸念する必要があるのは、逮捕の内、現行犯逮捕と呼ばれているものです。

 現行犯逮捕については、警察官等の捜査機関でなくても行えるため、被害者の方や目撃者の方のような一般人でも可能です。このような一般の方による逮捕のことを私人逮捕といいます。

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私人逮捕は、現行犯逮捕に限って認められており、刑法上の正当行為として処罰されません。しかし、本来的には逮捕は犯罪にもなり得る行為であり、慎重に行われるべきです。私人逮捕後は、直ちに犯人を検察官や警察官に引き渡す必要があります。

 一般人が逮捕できるとはいえ、被害者の方や目撃者の方が、電車内において、痴漢をしたであろうと思われる人に手錠をかける訳ではありません。また、被害者の方に手を掴まれたからといって、直ちに現行犯逮捕されたということにはならないのです。

 しかしながら、その場から逃走を試みた結果、被害者の方や目撃者の方、又はそれらの人から協力を求められた方々に取り押さえられてしまった場合、その段階で現行犯人として逮捕されたと取り扱われることになるでしょう。

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逮捕されると職場や学校に知られるリスクが高まるため、逮捕の理由と必要性がないことを捜査機関に伝えることが重要です。逮捕の理由は証拠の有無によりますが、逮捕の必要性は逃亡や証拠隠滅の虞がないことを示すことで低減できます。自首や弁護士の介入など、逮捕回避のための具体的な方法も紹介しています。

3.私人逮捕後の手続

 一般の方が被疑者を逮捕した場合であっても、当たり前ですがその方が捜査を担当する訳ではありません。警察官に被疑者を引き渡すことになる訳です。警察官は、逮捕された被疑者を釈放することも可能です。しかし、一度逮捕されてしまえば、警察官が自主的に被疑者を釈放することは稀です。

 ですから、痴漢の犯人だと声をかけられた際、駅員室や警察署等に連行される前に、その場を立ち去ることができればいいのですが、逃げるような形で走り去るようなことは避けるべきだといえるでしょう。逃亡のおそれが高い被疑者であると認められ、事後的に逮捕される可能性を高めてしまうことになるからです。

 一方で、逮捕された後の手続として、警察官は被疑者の引渡を受けた後、速やかに検察官に事件を送致する必要があります。刑事訴訟法第203条1項はその制限時間を48時間と定めています。

 裁判官から逮捕令状を取得して被疑者を逮捕する場合には、令状を被疑者に示して被疑者を逮捕する瞬間の時間を警察官が直接確認することが可能です。したがって、この48時間という時間制限が、具体的に何月何日の何時何分からスタートするのかについて、警察官は正確に把握することが可能です。

 一方で、私人逮捕が行われる場合には、逮捕の瞬間には警察官はおりません。警察官も48時間の時間制限を破ることがないように、余裕をもって検察官に送致していますが、弁護士としてはこのような時間制限が遵守されているかどうかも確認する必要があるでしょう。

4.痴漢事件において逮捕を避けるために

 痴漢の犯人として疑われてしまった場合において、逮捕を確実に避ける方法というものはありません。巷で言われているように、身分を明らかにした上でその場を立ち去るという手法も、目撃者の方々に取り囲まれてしまえば立ち去ることはできませんし、包囲網を突破しようと試みた場合には、逃走のおそれがあるとして、より逮捕される可能性を高めてしまうことになります。

 とはいえ、逮捕は、被疑者の逃走や証拠隠滅行為を防ぐために行われるものです。したがって、身元を明らかにするという方法は誤りではありません(周囲の無関係な人に名乗るのは、痴漢の犯人として疑われていることを自ら広める行為でしかありませんから、お勧めしませんが)。

 逆に、痴漢事件においては、被害者の方や目撃者の方の供述が、痴漢事件の詳細を明らかにするために最も重要な証拠となりますので、被疑者の方がそれらの人々に接触を執拗に試みてしまうと、証拠隠滅のおそれがあると評価され易くなってしまいます。特に、痴漢の犯人とされることに心当たりがない場合、自身の痴漢の犯人呼ばわりしてくる方々に対して文句を言いたくなるところではあると思いますが、必要以上に説明を求めるような行動を現場で行うことは避けるべきでしょう。

5.弁護士への連絡

 痴漢事件については、痴漢の犯人として疑われてから逮捕されるまでの間に時間的余裕がないことが多く、この段階で弁護士に相談する機会を設けられないことが多いように思います。

 また、連行される最中や駅員室の中で、携帯電話を使って弁護士に相談することができた場合であっても、隣に警察官らがいるような状況では、弁護士に対して状況を説明することも困難になろうかと思います。

 ですから、弁護士に連絡する場合には、状況の詳細な説明は不要で、現時点でどのような対応を取るべきかという点だけを聞いてみていただければと思います。弁護士がアドバイスの為に必要な情報については、弁護士が質問しますから、その質問に簡潔に答えるようにしていただければと思います。そのような対応が弁護士側でとれるように、隣に警察官がいるなどの情報は、最初にお伝えいただけますと円滑な相談が可能になるはずです。

6.家族への連絡

 弁護士が、逮捕された後に被疑者の方の釈放を求める活動を行う場合や、被疑者の方の逮捕を避けるための活動を行うにあたっては、御家族の方のサポートが非常に重要になります。痴漢事件という性質上、御家族の方にも相談しにくい気持ちは分かりますが、連絡できる状況にあるのであれば、連絡をとっておくことをお勧めします。

 実際に、痴漢事件において被疑者の方が逮捕されてしあっている場合、私達が早期に被疑者の方の弁護に着手できるのは、御家族の方から御相談をいただけたことに起因することがほとんどです。

 逆に、会社との関係では、予定通り出勤することが困難になりますので、誠実な方であればある程、会社に迷惑をかけないように直属の上司などに連絡してしまいがちです。
 しかし、仮に、痴漢を理由に何らかの刑事処分が下されることとなった場合には、会社からの懲戒処分を受けることにもつながりかねません。会社への連絡については、一度思いとどまった上で、弁護士や弁護士を通じて御家族と相談した上で決めるのが得策かと思われます。

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