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痴漢事件は報道されてしまうの?職場や家族への対応

1.職場や家族への対応の重要性

 痴漢事件についても逮捕されてしまう場合があることについて、関連記事:「痴漢事件における逮捕」で解説させていただきました。逮捕されることさえなければ、警察署や検察庁に呼び出された時に加えて、裁判に出廷しなくてはいけない日を何とか調整できれば、これまで通り通勤や通学を行いつつ、手続を進めることが可能です。つまり、会社や学校に露見することなく手続を終わらせる可能性も十分にあることになります。

 もし痴漢行為に及んでしまったことが、学校や職場に知られてしまえば、退職や退学に迫られる可能性が生じてしまいます。痴漢行為に及んでいない場合であっても、痴漢事件の被疑者として扱われていることが明らかになっただけで、同じような状況に追い込まれてしまうことは決して珍しくないのです。

 学校や職場に痴漢事件のことが知られてしまうかどうかは、捜査機関による捜査や裁判所の手続とは無関係のように思われますが、被疑者の方からすれば非常に重要な事柄だといえます。

 また、痴漢事件のような性犯罪については、最も身近な存在である家族にこそ知られたくないと考える方は多くいらっしゃいます。特に、妻に知られてしまった場合には、夫婦の信用関係が破壊されてしまうと危惧されている方は多くいらっしゃいます。

 痴漢事件の弁護士としては、このような点のケアも不可欠といえるでしょう。

2.家族への報告(弁護人によるカバー)

 とはいえ、弁護士として痴漢事件を扱うにあたって、御家族からのサポートが得られることは一つの大きな武器となります。ですから、痴漢事件について被疑者の方から御相談を受けた際に、弁護士としては、まずは御家族に御相談いただき、家族一丸となって痴漢事件の手続に向き合うことができないかを確認させていただくことになろうと思います。

 それは、逮捕の可能性を避けるためにも、身体拘束を解くためにも、御家族に身柄引受書を作成していただき、その中で被疑者を監督する旨を誓約していただくことが重要になってくるからです。

また、不起訴処分を目指すにあたって、被疑者の方には再犯可能性が認められないことを主張することもあります。そのような場合において、痴漢事件を起こした当人である被疑者の方自身に二度と同じ過ちを犯さない旨を誓約させるだけではどうしても弱く、二度と同じ過ちを犯させないように指導監督することを誓約して下さる御家族の存在が重要となるからです。

 それでも何らかの理由で御家族に痴漢事件に巻き込まれてしまっていることを伝えたくないという方は一定数いらっしゃいます。その場合、家族のサポートを得られない分については、弁護人がカバーすることになるでしょう。

 逮捕を避けるという意味では、被疑者の方と一緒に同居できる訳ではありませんから、同居の御家族の方による指導・監督と比較すると弱い内容になってしまいますが、逃亡や証拠隠滅の可能性を低下させられる内容を協議した上で証拠化し、弁護人による指導・監督によって、逃亡や罪証隠滅を防げることを主張することになるでしょう。

 また、再犯可能性を否定するという意味では、事件終了後も弁護人が継続的に指導・監督するという主張をしても、親密な人間関係が存在する訳でもないため、検察官や裁判官の理解を得ることができません。だとすると、事件が終了する前までに、弁護人から指導できる内容については、指導を尽くした旨の主張をするための裏付けなどが必要となってくるでしょう。

3.家族に報告されてしまうケース

 一方で、被疑者の方と弁護人との間で、御家族の協力は求めずに弁護活動を行うことを決めた場合であっても、痴漢事件についての捜査を行っている捜査機関によって、家族に知らされてしまう可能性は否定できません。

 典型例としては、最初の取調べに際して、逮捕しない代わりに、御家族に警察署まで迎えにこさせるように警察官から伝えられるようなケースです。

警察官に、被疑者の方の家族を無理矢理警察署に連行する権限がある訳ではありませんし、被疑者の方に家族への連絡を強制する権限がある訳でもありませんから、あくまで任意の形で御家族に連絡させるように伝えられることになります。 とはいえ、家族への連絡を断った場合、逮捕されるかもしれないというリスクを負わされている訳ですから、完全に任意の形という訳ではありませんし、被疑者の方としては究極の選択を迫られることになるでしょう。この判断に際しても、不当な圧力に屈することがないように、弁護人のサポートが必要となります。

 また、御自宅に証拠品が残されているのではないかという疑いを捜査機関に抱かれてしまうと、逮捕されない場合であっても、自宅に捜索が入ってしまい、その際に同居の御家族に痴漢事件の被疑者となっている事実が露見してしまうということもあり得ます。

 任意に提出できる物については、自ら積極的に任意提出してしまうことによって、捜索を受ける危険性を低下させることで対応することになるでしょう。

4.学校や職場への報告

 家族の次に、痴漢事件の被疑者となってしまっていることを報告するかどうかを迷うのが学校や職場になろうかと思います。もし、必ず捜査機関から学校や職場に知らされてしまうのであれば、事前に報告しておくことで、学校や会社からの処分を軽減することができるかもしれません。

 しかしながら、基本的に、学校や職場に警察が連絡することは原則ないと御理解いただいて構いません。そうすると、捜査機関が学校や職場に連絡する特別な事情が、問題となっている痴漢事件において認められるかという観点から考えることになります。

 なお、少年の痴漢事件に関しては、学校・警察連絡制度というものがあり、特別な事情がなくても、少年が在籍している学校に警察官が連絡することはあり得ます。少年事件の特徴になりますので、関連記事:少年事件の特設サイトを御確認ください。

 では、職場に連絡する特別な事情として何が考えられるでしょうか。一番は、職場にも痴漢事件の証拠があるのではないかと捜査機関が考えているケースです。

 痴漢事件の場合、痴漢に関する証拠が職場で保管されているという事態は通常考えられません。しかし、その行為の常習性や動機を明らかにするために、携帯電話についての解析が行われ、その中に痴漢や盗撮に関するデータが含まれており、そのデータがどこかに移動されている形跡等があった場合、職場において用いられているノートパソコン等を確認したいと思われるかもしれません。

 このような場合でも、被疑者から任意に提出することによって、職場への捜索が行われることを回避できる可能性はあります。しかしながら、会社から貸与されている携帯電話やノートパソコンを捜査機関に対して任意提出してしまった場合、会社に対しては何らかの理由で貸与を受けている会社の備品を使うことができないことを説明しなくてはいけません。

 当面の間は、誤魔化して報告することができたとしても、携帯電話等の会社の備品を利用できない期間が長期化してしまうと、会社に対する説明が苦しくなってきてしまいます。弁護人としては、そのような事態を避けるために、必要な捜査が終わった場合には、提出した携帯電話等の証拠を早期に返すように求めることになるでしょう。

 このような要求を還付請求といいます。

5.痴漢事件の報道

 これまで会社・学校や家族に知らせない方法について解説してきましたが、報道に出てしまえば、それらの人々に限られず、多くの人々に知られてしまいます。

 「痴漢」でニュース検索をしていただくと、決してニュースバリューが高くなさそうな事案についても報道されていることが分かると思います。しかし、多くの場合は実名報道となっておらず、「会社員の男(38)」等のように職業と年齢程度の記載に止まっているはずです。被疑者の方が公務員や教師、医師や弁護士のような仕事をしている場合や、著名人である場合には実名で報道がなされてしまう可能性はありますが、そうでなければ実名報道の可能性は大きくありません。

 また、「痴漢」で検察して表示された報道の内容を確認していただくと、報道されている痴漢事件の被疑者は、そのほとんどが逮捕されていることが分かると思います。既にお話ししたとおり、痴漢事件の被疑者として扱われた場合であっても、必ず逮捕される訳ではなく、むしろ逮捕されないケースも多く存在します。したがって、報道されている事件のほとんどが逮捕されている事案である以上、逮捕されてしまうと報道のリスクが上がってしまうということが分かるかと思います。

 そこで、報道のリスクを下げるためにも、弁護人としては痴漢事件の被疑者が逮捕されないように活動する必要があるのです。

6.最後に

 これまでお話ししてきたとおり、学校・会社や御家族に、痴漢事件の情報が伝わってしまう可能性を0にすることはできません。どうしても、弁護人が御家族の方に完全になり替わるというのは難しい側面があるのです。

 しかし、他の方に知られることなく手続を終わらせられる可能性をできる限り高めるためのお手伝いは可能です。冤罪を晴らすという御相談や、できる限り軽い刑罰に止めたいという御相談と比較すると、御家族や会社などへの連絡に関する内容は、刑事手続自体とは関連性のない御相談に思えるかもしれませんが、御気軽に私達ダーウィン法律事務所に御相談ください。

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