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生命に関する罪の解決実績

6.生命に関する罪

心神耗弱の状態で,御家族と無理心中を図り,御依頼者様のみが生き延びてしまったという殺人罪の事案について,裁判員裁判で執行猶予付きの判決を得られた事例

【事案の概要】
御依頼者様は,従前から精神疾患を有しており,家族関係に悩みを有していました。そして,今後の将来を悲観し,御家族と共に無理心中を図ろうとしましたが,御家族だけが亡くなり,御依頼者様のみが生き延びてしまいました。
殺人罪の被疑者として逮捕された後,他の御家族からの依頼で,弁護人として選任されました。

【結果】
裁判員裁判となることは明らかでした。起訴後,検察官と何回か協議を重ねた結果,心神耗弱の状態にあったことは,検察官も争わずに,裁判員裁判においては,心神耗弱の状態にあったことを前提に,執行猶予を付するかどうかが争点となりました。
裁判員裁判においては,御依頼者様の成育歴や,無理心中に至るまでの経緯について,具体的に主張し,裁判員の皆様に御依頼者様の心情を理解していただけるように努めました。
殺人罪は動機犯とも言われており,通り魔的な犯行を除けば,人の殺害を決意する程に強い動機がなければ,犯行に及びません。裁判員裁判においては,この動機が,被告人の量刑を判断するにあたって,極めて重視されるケースが多く見られます。動機に同情の余地があれば,執行猶予を付する方向に大きく考慮されますし,動機に同情の余地がない事案においては,厳罰を科す方向に考慮されます。
本件においても,御依頼者様が御家族に不満を有しておらず,殺害する動機はありませんでした。むしろ,従前から患っていた精神疾患によって,将来のことを過剰に悲観視してしまった結果,無理心中に至ってしまっていましたので,その経緯を裁判員に伝わり易いように主張しました。
その結果,殺人罪であるにもかかわらず,執行猶予付きの判決を得ることが出来ました。裁判員の方に,酌量の余地があることをご理解いただけた結果だと言えます。

精神疾患を患っていた御家族を殺害してしまったという事案について,殺人罪ではなく嘱託殺人の罪によって公判請求がなされ,結果的に執行猶予付きの判決を得られた事例

【事案の概要】
御依頼者様は幸せな家庭を築くことが出来ていましたが,御依頼者様の御家族は精神疾患を患っており,自傷行為を繰り返しておりました。複数回の入院を経験したものの,症状は改善されず,御依頼者様も御家族も疲弊していた中で,御家族から死にたいと言われたことを契機に,御家族を殺害してしまいました。
殺人の罪で御依頼者様が逮捕された後,他の御家族から依頼を受けて弁護人に選任されました。

【結果】
検察官に対して殺人罪ではなく嘱託殺人の罪が成立するに過ぎないことを積極的に主張した結果,起訴時の罪名は嘱託殺人の罪に変更され,裁判においても執行猶予付きの判決を得ることができました。
嘱託殺人の罪は,刑法202条に定められております。被害者の方の依頼を受けて,その方を殺害してしまった時に成立する罪です。刑法199条が定める殺人罪は,「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」を法定刑として定めているのに対して,刑法202条は,「6月以上7年以下の懲役」と定めており,その法定刑に大きな差が認められます。ですから,どちらの罪が成立するかによって,その刑罰にも大きな差が生じることになります。
本件において,捜査機関は,当初は嘱託殺人ではなく通常の殺人罪として扱っていました。それは,御依頼者様が,介護等に疲れ,自分の生活を楽にさせるためだけに家族を殺害したのではないかという疑いがあったからだと思われます。したがって,弁護人としては,御依頼者様は御家族を大切に生活してきたのであって,御家族を殺害する動機はなく,御家族から殺害について嘱託を受けなければ,殺害することはありえなことを主張する必要がありました。
このような主張について,捜査機関に対して詳細に供述するべきかどうかは,常に具体的な事案毎に検討する必要がありますが,本件においては,犯行直前においても,御依頼者様と御家族の関係性に何ら問題はなく,精神疾患を抱えつつも,家族が一体となって生活していくことを予定していたことを基礎づけられる事実関係が多く認められました。
そこで,裁判において初めて主張するのではなく,捜査機関に対しても積極的に供述し,嘱託殺人の罪として扱うように働きかけました。
このような事案においては,御依頼者様や他の御家族の皆様も,精神的に疲弊しきっているのが通常です。弁護人としては,精神的なフォローもしつつ,御依頼者様に代わって捜査機関に対して働きかける必要があります。
結果として,嘱託殺人の罪によって起訴され,公判においても執行猶予付きの判決を得ることができましたので,捜査段階における弁護人の働きかけが功を奏した事案といえるでしょう。

傷害致死保護事件

【事案の概要】
乳児が亡くなってしまった痛々しい事件でした。亡くなった時の状況からして、事故死ということが否定され、何者かによって暴行が加えられたことは明らかだったのですが、乳児の置かれていた状況からして、第三者による犯行の可能性が小さかったことで、被害者の御家族が被疑者として取調べを受けることになってしまいました。
御依頼者様が傷害致死の罪で逮捕された後、他の御家族からの依頼で弁護人として選任されることになりました。

【結果】
御依頼者様は、私が選任された段階では、警察官らによる執拗な取調べを受けて、自身の犯行であることを警察官に対して認めてしまっている状況でしたが、私が改めて御依頼者様の意向を確認したところ、自分は被害者に暴力を振るったりしたことはないというお話でした。
捜査機関が収集した記録を検討しても、御依頼者様が被害者に暴行を加えたことを証明する証拠は一切なく、他に被害者に暴行を加えられる可能性のある方がいないことを理由に、御依頼者様を犯人と決めつけているようでした。
このような証明の仕方を消極的立証といいます。
消極的立証による証明は、被疑者とされている人が、直接犯罪をしたことを証明する証拠がないにもかかわらず、被疑者を犯人と決めつける方法ですから、立証の仕方として問題の多い手法です。
そこで、私達は、他の者による犯行の可能性があることについて、実況見分等を独自に行い、捜査機関による消極的立証を崩すことにしました。
その結果、裁判官は、御依頼者様が被害者に暴行を加えたと断定することはできないとして、御依頼者様に非行事実なし理由とする不処分決定をくださいました。
この決定は、成年事件における無罪判決に相当するものです。
既に自白をさせられてしまっている事件であっても、綿密な調査によって、裁判官を説得することができることが明らかとなった事案でした。

過失運転傷害被告事件

【事案の概要】
御依頼者様が自動車を運転中に、先方の信号が黄色の灯火信号に変わったことを確認し、急いでその交差点を通過しようと試みたものの、交差点に進入する前に赤色の灯火信号に変わってしまっていました。しかしながら、このまま車を停車させてしまうと、横断歩道を塞いでしまうことになるため、交差点に進入したところ、道路を横断しようとしていた自転車と接触してしまい、自転車の運転手に傷害を負わせてしまいました。
逮捕されることはありませんでしたが、御依頼者が過失運転致傷の罪で取調べを受けることとなってしまいましたので、その段階で御家族からの依頼を受け、弁護人として選任されました。

【結果】
交通事故事件については、目撃者の供述以上に、ドライブレコーダー等の客観的な証拠が重視される傾向にあります。被疑者、被害者、目撃者の方々の話も重要なのですが、交通事故事件の場合には、一瞬の出来事ですから、その時の様子を正確に記憶することが困難なのです。
本件においては、御依頼者様の後ろを走行しているトラックのドライブレコーダーから、御依頼者様の運転態度や、事故の状況については、正確な記録が残されていましたので、その点について積極的に争うことはしませんでした。
交通事故事件の場合には、保険会社等を通じて、被害者の方に賠償金が支払われることになりますが、被害者の方の怪我が長引いた場合等については、御依頼者様についての刑事裁判が終わるまでには、保険会社による賠償金の支払いが間に合わないこともあります。その場合、賠償金の一部でも構いませんので、御依頼者様から被害者に対して、一定の賠償金を支払うことで、有利な情状を作成することが可能です。
本件においても、一部の慰謝料を、御依頼者様が保険会社よりも先行して支払うことで、被害者の方にお許しいただく旨が記載された示談書を作成することができました。
また、車両に乗車する際には、御家族と同乗することなどを誓約することで、結論的に執行猶予判決を得ることができました。
なお、この手の事件については、確実に執行猶予付きの判決を得るために、当時運転していた自動車を処分してしまう方法も考えられます。
しかしながら、御依頼者様の生活状況によっては、車を確実に処分できるわけではありません。柔軟な弁護方針が求められるものといえるでしょう。

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