家庭裁判所送致について|ダーウィン法律事務所 刑事事件専門サイト

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家庭裁判所送致について

1.即日送致の可能性

 少年事件においては、原則として全ての事件が家庭裁判所に送致されることになります。検察官が不起訴処分によって事件を終結させることは極めて例外的です。
 そこで、少年事件においては、家庭裁判所に送致されることを前提に、弁護活動を行う必要があります。その中でも、早い段階で準備をする必要があるのが、鑑別所への送致を回避するための弁護活動になります(鑑別所への送致については、こちら を御確認ください)。
 何故、この弁護活動の準備を早期に行う必要があるかと言うと、最速で逮捕された翌日に鑑別所に送致されてしまうケースもあり得るからです。
 少年事件における被疑者が逮捕された場合、成年事件における被疑者と同じように、逮捕から48時間以内に、被疑者は検察庁に送致されることとなりますし(少年事件における逮捕については、こちら を御確認ください)、送致を受けた検察官が、被疑者を勾留するかどうかを判断する点は成年事件と同じです(少年事件における勾留については、こちら を御確認ください)。
 成年事件の場合、検察官が勾留請求をしなければ、その日の内に釈放されることとなります。しかし、少年事件の場合、検察官は勾留を請求するかどうかに加えて、その日の内に家庭裁判所に送致するかどうかも判断することとなります。
 検察官が、勾留を請求せずに、家庭裁判所へもその日の内には送致しないと判断した場合には、その日の内に釈放されることになりますが、家庭裁判所に即日送致すると判断した場合、釈放される前に、家庭裁判所に送致され、その日の内に、鑑別所に送致するかどうかの判断がくだされてしまいます。
 ですから、勾留請求を回避する弁護活動を検察官に対して行うと共に、裁判所に対して鑑別所に送致しないように求める弁護活動の準備もしておく必要があるのです。
 家庭裁判所に送致した後であっても、警察官や検察官は、送致した少年事件の捜査を継続して行うことは可能です。したがって、捜査が全て終わっていなかったとしても、少年が罪を認めている場合等、その時に確保できている証拠によって、少年の嫌疑を十分証明できる場合には、即日家庭裁判所に送致することは十分にあり得ます。
 実際に、検察官が直ちに家庭裁判所に送致したケースを何件も経験したことがありますし、即日送致は珍しい手続では決してありません。

2.即日送致に備えた弁護活動

 弁護人が、家庭裁判所に即日送致されてしまう可能性を懸念していないと大変です。成年事件においても、起訴された後、直ちに保釈請求を行えるように準備が必要な点は変わりありませんが、少年事件の場合、準備が不十分だと付添人として(家庭裁判所に送致された後は、少年の弁護活動にあたる弁護士のことを「弁護人」ではなく「付添人」と呼びます。)活動すること自体が困難になってしまうのです。

少年法
第10条

1項 少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を受けて、付添人を選任することができる。ただし、弁護士を付添人に選任するには、家庭裁判所の許可を要しない。
2項 保護者は、家庭裁判所の許可を受けて、付添人となることができる。

少年審判規則
第14条

1項 弁護士である付添人の数は、三人を超えることができない。
2項 付添人を選任するには、付添人と連署した書面を差し出すものとする。この書面には、少年と付添人との関係を記載しなければならない。
3項 前項の規定により付添人が署名押印すべき場合には、署名押印に代えて記名押印することができる。
4項 付添人の選任は、審級ごとにしなければならない。

 少年法は、少年の弁護活動について、付添人に行わせる旨を定めており、付添人選任届を家庭裁判所に提出するように求めております。したがって、鑑別所に送致しないように求める弁護活動を行う際にも、付添人選任届を家庭裁判所に提出していなければいけません。
 成年事件においては、捜査段階において弁護人として活動する際に、検察庁に対して弁護人選任届を提出していれば、起訴された後に、改めて裁判所に対して選任された旨の届け出は不要なのですが、少年事件においては、同じ弁護士が引き続き担当する場合であっても、改めて届出が必要となるのです。
 ですから、即日送致される可能性を踏まえて、検察庁に対して提出する弁護人選任届を作成するのと同時に、家庭裁判所に提出する付添人選任届を作成しておかないと、即日送致された場合に、家庭裁判所に対して何らの活動もできないことになってしまうのです。

3.少年事件の経験が求められる

 以上のように、少年事件の手続は、家庭裁判所に送致された直後から、成年の刑事事件とは大きく異なります。成年の刑事事件と同じような活動をしていたのでは、少年を全く弁護できないような状況に陥ってしまいかねないのです。
 少年事件についての弁護を依頼する場合には、刑事事件だけではなく、少年事件についての経験を有する弁護士に依頼すべきでしょう。