痴漢事件の裁判|ダーウィン法律事務所 刑事事件専門サイト

ご家族・ご友人が逮捕・起訴されてしまったら、すぐにお電話ください!

0120-845-018

受付時間:7時~23時(土・日・祝日も受付)

初回電話
相談無料
守秘義務
厳守
東京 埼玉 神奈川 千葉

痴漢事件の裁判

1.痴漢事件で起訴されるケース

 前科前歴がない方が痴漢行為に及んでしまった場合、多くの場合は重くとも略式罰金処分で終わることが多いです。つまり、罰金を払うだけで刑事手続を終了させることができ、正式な裁判を受ける必要はありません。

 一方で、痴漢といっても様々な内容があります。痴漢の中でも悪質な痴漢だと判断された場合には、前科前歴がなくても、一度の行為で起訴されて裁判をうけることがあるのです。

 例えば、臀部や陰部に着衣の下から直接触れるような痴漢のケースについては、不同意わいせつ罪として扱われることになります。不同意わいせつ罪には罰金刑が法定されていませんから、示談が成立しなかった場合、起訴される可能性が極めて高いものといえるでしょう。どのような場合に不同意わいせつ罪が成立するのかについては、関連記事:「条例違反と不同意わいせつ罪の違い」をご覧ください。

関連記事:「条例違反と不同意わいせつ罪の違い」
条例違反は、公共の場所や乗物で人の身体に触れることで、人を羞恥させたり不安にさせたりする行為を禁じたものです。不同意わいせつ罪は、相手の拒絶するタイミングを与えずにわいせつな行為をすることを禁じたものです。
弁護活動においては、問題となる行為の性質や被害者との示談の有無などによって、処分の軽重や起訴の可否が変わってきます。

 また、痴漢行為の中では比較的軽い内容だったとしても、略式罰金処分は、裁判を受けることなく前科を付ける手続になります。したがって、裁判を受けることなく前科がついてしまうことに被疑者の方が同意していない場合、つまり、冤罪を晴らしたいと主張している場合には、前科前歴の有無にかかわらず正式起訴されることがあるのです。

2.自白している場合の痴漢事件の裁判(拙速に対応しないために)

 罪を認めている場合、裁判の実質的な手続は1回で終えることができます。1時間で関係者の話や証拠の取調べを行い終えることになります。その日のうちに判決が下され、全てが1回で終わることもありますが、ほとんどの場合は、判決宣告のみ1-2週間後の別期日で行われることが多いです。このような流れは、他の犯罪と同じです。

 とはいえ、冒頭でお話ししたとおり、痴漢事件において起訴されているということは、同種前科等が認められるか、痴漢行為の中でも悪質な行為であると判断されているかということになるでしょう。痴漢事件は、他の犯罪類型と比較して、重い法定刑が定められているとまでは言えませんが、刑務所への服役を命じられる可能性を十分に考慮した上で、裁判に向き合う必要があります。

 したがって、罪を認めている場合、被告人の方や御家族とすれば、できる限り早期に裁判を終わらせたいという気持ちになると思いますし、早期に刑事手続を終わらせること自体に価値があることも否めませんが、拙速に裁判を終わらせるべきではありません。第一審における弁護活動が不十分だったことで不相当に重い罰が科されてしまった場合、控訴審においてその判決を破棄するのは非常に困難だからです。

 ですから、裁判を早く終わらせるためには、被害者の方の供述と被告人の方の供述に食い違いがあった場合でも、被害者の方の供述内容が正しいことを前提として、被害者の方の尋問を行わない方針とすることが有意だとしても、本当に被害者の方の供述の全てが真実であることを前提としていいのかという点については、十分に弁護人と協議する必要があります。被害者の方の言い分との違いが、被告人の方の刑事責任の重さに直結する部分で生じているのであれば、裁判が多少長期化してしまう場合であっても、被害者の方の供述を争うことに躊躇すべきではありません。

3.自白している場合の痴漢事件の裁判(再犯防止の観点から)

 痴漢事件については、他の罪名と比較しても、再犯の危険性を裁判官や検察官が強く懸念する傾向があるように感じています。何度も痴漢行為を理由に刑罰を科されているにもかかわらず、痴漢行為を止められない場合には、痴漢行為に依存していることなどを懸念した上で、専門家によるサポートを検討する必要があるでしょう。

 痴漢行為への依存の理由としては、様々な内容が考えられますが、性嗜好障害という障害が問題となっていることもあります。
 一方で、そのような背景がないにも関わらず、安易に専門家のサポートを中心とする弁護を行ってしまうと、被疑者の方の反省が十分ではないとの印象を与えてしまう可能性があります。そこで、痴漢行為に及んでしまった原因を深く掘り下げた上で、再犯防止のために何を改善するべきなのかを、被告人の方を中心に、被告人の方の家族とも具体的に考えることが必要になります。

 また、痴漢事件においては、不起訴処分を得るために、被害者の方との示談を成立させることが重要であることについて、関連記事:「痴漢事件における検察官の処分」で解説させていただきました。起訴されて裁判を受けている段階であっても、被害者と示談が成立していることは、被告人の刑事責任を減少させる大きな事情になります。

関連記事:「痴漢事件における示談交渉」
痴漢事件で示談交渉をすることの重要性と方法について説明しています。被害者との示談が前科の有無に影響するため、弁護士を通して連絡先を入手し、示談金を決めることが必要です。示談金は慰謝料としての性質も認められますが、被害者の許しを得るための代価としての側面も強く、法的な相場はありません。

4.否認している場合

 痴漢事件において公訴事実を否認するケースとして、最も典型的な内容は、①犯人性を否定する(被告人の方は被害者の方の性的な部位に触れていない)ケースと、②故意を否定する(被害者の方の性的な部位に触れてしまったこと自体は争わないものの、意図的に触れたわけではない)ケースでしょう。

 冤罪を晴らすために、弁護人が何を主張し、どのように検察官の立証活動を弾劾するかはケースバイケースです。具体的な弁護方針に沿って、被告人の方が無罪であることを裁判官に理解させる必要があります。

 いずれにしても、検察官が起訴してきている以上、被害者の方や目撃者の方は、被告人の方を犯人だと主張していることが想定されますので、まずはそれぞれの方の供述を弾劾することになろうかと思います。

 示談金目的等で痴漢事件をでっちあげたという主張をするべきケースもあるかもしれませんが、多くの場合、痴漢事件が発生していることは間違いないものの、被告人の方が犯人ではないという主張が軸になると思われます。

 そうすると、被害者の方や目撃者の方が、どのようにして被告人が犯人だと認識するに至ったのかという点をクリアにした上で、そのような内容を認識しただけで被告人の方が犯人だと言い切ることができるのか、又は、被害者の方や目撃者の方の供述自体を信用することができるのかといった点を、それぞれの方の反対尋問において質問することになるでしょう。

 そして、そのような供述に信用性がないことを具体的に主張するためには、弁護人も現場に赴き、被害者の方や目撃者の方と同じ目線で、状況を確認するなどの必要があるでしょう。

 自白している場合と異なり、痴漢事件という日常的に行われている犯罪行為が問題となっている場合であっても、否認事件においては裁判が1回で終わるということは考えられません。もっとも、複数の共犯者の間で行われる特殊詐欺事案のように、関係者が多い訳ではありませんから、裁判が1年以上続くということはほとんどありません。

 裁判等の負担を懸念して、被告人の立場に長くい続けるくらいであれば、冤罪を晴らすことを諦め、早期解決のために認めてしまいたいと考える方も相当数いらっしゃいます。安易に諦める前に、一度御相談いただければと思います。

痴漢事件でお悩みなら!今すぐ痴漢事件に強い弁護士に至急お電話ください