違法賭博の罰則は?オンラインカジノの罰金・拘禁刑と処分の見通し
- 単純賭博罪は50万円以下の罰金又は科料、常習賭博罪は3年以下の拘禁刑、賭博場開張等図利罪は3月以上5年以下の拘禁刑である。
- 海外のオンラインカジノでも、日本国内から賭ければ賭博罪が成立し、2025年にはサイトの紹介・誘導も禁止された。
- 胴元としての関与がなく常習性も認められない場合には、略式罰金や不起訴で終わる可能性もある。
弁護士岡本 裕明
※この記事は2025年4月10日に公開した「ネットギャンブルの違法性」を、2026年10月に改稿したものです。
違法賭博の罰則は、関わり方によって大きく異なります。賭け事に参加しただけの単純賭博罪は50万円以下の罰金又は科料、繰り返し賭けていた場合の常習賭博罪は3年以下の拘禁刑、賭博の場を開いて利益を得た場合の賭博場開張等図利罪は3月以上5年以下の拘禁刑です。
スマートフォン一つで参加できるオンラインカジノやスポーツ・ベッティングについて、適法であるかのような説明を目にして利用してしまったという相談は少なくありません。しかし、日本国内から海外のサイトで賭ける行為も、賭博罪に当たります。
今回は、違法賭博の罰則と、関わり方ごとの処分の見通し、警察から連絡が来たときの対応について解説します。
1.違法賭博の罰則は?単純賭博・常習賭博・賭博場開張等図利の刑罰
弁護士岡本 裕明
賭博に関する罪は、刑法185条と186条に定められています。単純賭博罪は50万円以下の罰金又は科料、常習賭博罪は3年以下の拘禁刑、賭博場開張等図利罪は3月以上5年以下の拘禁刑です。
刑法
(賭博)
第185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
1項 常習として賭博をした者は、3年以下の拘禁刑に処する。
2項 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の拘禁刑に処する。
| 罪名 | 誰が・何をしたら | 法定刑 |
|---|---|---|
| 単純賭博罪(刑法185条) | 賭け事に参加した人 | 50万円以下の罰金又は科料 |
| 常習賭博罪(刑法186条1項) | 繰り返し賭け事に参加していた人 | 3年以下の拘禁刑 |
| 賭博場開張等図利罪(刑法186条2項) | 賭博の場を開いて利益を得た人 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
(1)単純賭博罪は50万円以下の罰金又は科料
賭け事に参加しただけの場合は、単純賭博罪が問題になります。法定刑は罰金又は科料のみで、拘禁刑は定められていません。
(2)常習賭博罪は3年以下の拘禁刑
賭博を繰り返す習癖があると認められると、常習賭博罪として3年以下の拘禁刑の対象になります。罰金刑はありませんので、起訴されれば正式裁判になります。
(3)賭博場開張等図利罪は3月以上5年以下の拘禁刑
店舗やサイトを運営するなどして賭博の場を開き、利益を得た場合には、賭博場開張等図利罪が成立します。店の従業員として客の受付や精算をしていた場合や、客を勧誘して紹介料を受け取っていた場合も、運営への関与として共犯や幇助犯に問われることがあります。組織的に行われた場合には、組織犯罪処罰法によって3月以上7年以下の拘禁刑と、さらに重く処罰されます。
(4)2025年6月から「懲役」は「拘禁刑」に
2025年6月1日に施行された改正刑法により、懲役刑と禁錮刑は拘禁刑に一本化されました。それ以前の判決では「懲役」の刑が言い渡されていますが、現在は「拘禁刑」です。
2.どこから違法賭博になる?賭博罪が成立する条件
弁護士岡本 裕明
(1)偶然の勝敗で財物を賭けること
「賭博」とは、偶然の事情によって勝敗が決まる勝負に、財物を賭けて争うことをいいます。能力に差があっても、結果が確実に決まっていなければ「偶然の事情」に当たります。逆に、一方が結果を知りながら賭けさせて金銭を受け取った場合は、賭博ではなく詐欺の問題になります。
このように賭博の定義は広く、金銭を賭けた勝負の多くは賭博に該当します。麻雀や将棋、ジャンケンでも賭博になり得ます。
(2)「一時の娯楽に供する物」なら罪にならない
ただし、刑法185条ただし書は、「一時の娯楽に供する物」を賭けたにとどまるときは処罰しないと定めています。飲食物のように、その場で消費される程度の物を賭けた場合がこれに当たり、学生同士がジュースを賭けて試験の点数を競ったような場合は処罰されません。
これに対して、金銭については、額が小さくても原則として「一時の娯楽に供する物」には当たらないとした大正時代の大審院判決があります。公営ギャンブル等以外で金銭を賭けることは、少額であっても控えるべきでしょう。
(3)競馬・パチンコ・宝くじが罪にならない理由
競馬・競輪・競艇・オートレースや宝くじは、それぞれ特別な法律で認められているため、賭博罪にはなりません。パチンコは、出玉を景品と交換する遊技として風営法で規制されている営業です。
つまり、日本で賭け事が適法とされるのは、法律が特別に認めている場合に限られます。公営ギャンブルであっても、私設の予想屋に賭け金を預けて馬券の代わりに配当を受け取る「ノミ行為」は、競馬法違反などとして処罰の対象になります。
(4)ポーカー・麻雀など身近な賭け事の扱い
ポーカーやバカラなどのカジノゲームでも、現金や換金できる物を賭ければ賭博に当たります。換金ができないアミューズメントカジノであれば、通常は賭博罪の問題にはなりません。麻雀でお金を賭けることの是非については、賭け麻雀と刑罰の記事で解説しています。
3.オンラインカジノの利用も賭博罪:海外サイトでも処罰される理由と2025年の法改正
弁護士岡本 裕明
(1)日本国内から海外サイトで賭ければ賭博罪になる
海外で合法的に運営されているサイトであっても、日本国内から接続して賭けた場合には、国内で賭博をしたものとして賭博罪が成立し得ます。警察庁や政府広報も、オンラインカジノの利用は犯罪であると明示しています。インターネット上には「グレーゾーン」「日本の法律では罰せられない」といった情報がありますが、誤りです。
スポーツの試合結果に賭けるスポーツ・ベッティング(ブックメーカー)も、同じ扱いです。
「運営会社が海外のライセンスを取得している」「日本語のサポートがあるので問題ない」といった説明は、日本の刑法上の評価とは関係がありません。賭博罪は、賭け事が行われた場所の法律で判断されるため、日本国内にいる利用者が賭けた以上、日本の刑法が適用されるのです。
また、ゲーム内の通貨やポイントを使っているので賭博ではないと考える方もいらっしゃいますが、そのポイントが現金に換えられる仕組みになっていれば、財物を賭けたことになり得ます。
オンラインカジノでは、入出金の記録やアクセスの履歴が残ります。決済の記録などから、利用者が特定されることがあります。
(2)繰り返し利用すると常習賭博罪を問われることがある
オンラインカジノは手軽に繰り返し利用できるため、利用期間が長く、賭け金の総額が大きい場合には、単純賭博罪にとどまらず常習賭博罪に問われることがあります。
店舗に足を運ぶ必要がなく、深夜でも自宅から賭けられることから、短期間に多数回の賭けを重ねてしまう方が少なくありません。1回あたりの賭け金が小さくても、回数と期間が積み重なれば、常習性を基礎づける事情として扱われる可能性がある点に注意が必要です。
(3)2025年9月施行の改正ギャンブル等依存症対策基本法で何が禁止されたか
2025年6月25日に公布され、同年9月25日に施行された改正ギャンブル等依存症対策基本法により、違法なオンラインギャンブルのサイトやアプリを提示する行為と、インターネットを使って不特定の人に違法なオンラインギャンブルへ誘導する情報を発信する行為が禁止されました。SNSでサイトのリンクを投稿したり、紹介記事や動画を公開したりすることも対象です。
この禁止規定そのものには罰則は設けられていませんが、紹介や勧誘の態様によっては、賭博を手助けしたとして賭博幇助罪などに問われる可能性があります。
4.関わり方で変わる処分の見通し:罰金で終わる場合と拘禁刑になりうる場合
弁護士岡本 裕明
| 関わり方 | 見込まれる手続・処分 |
|---|---|
| 初めて・少額の利用 | 不起訴や略式手続による罰金が多い傾向 |
| 長期間・高額の利用 | 常習賭博罪として正式裁判になる可能性がある |
| 店の従業員・勧誘・運営 | 賭博場開張等図利罪などで正式裁判・拘禁刑の可能性がある |
(1)初めて・少額の利用なら略式手続による罰金が中心
単純賭博罪は罰金又は科料しか定められていないため、起訴される場合も、書面審理で罰金を言い渡す略式手続によることが多いと考えられます。罰金の上限は50万円です。
略式手続は、本人が同意した場合に限って利用される手続で、公開の法廷に出る必要がなく、比較的短期間で事件が終わるという利点があります。他方で、罰金を納めれば有罪の判決を受けたことになり、前科が残る点は正式裁判と変わりません。初めての利用で賭け金も少額にとどまる場合には、事情によって起訴猶予となる余地もありますので、略式手続に同意する前に弁護士と見通しを確認しておくことが大切です。
(2)繰り返し賭けていた場合(常習性の判断)
常習性があるかどうかは、賭博をした回数や期間、賭け金の額、賭博の方法などから総合的に判断されます。
広島高等裁判所岡山支部平成3年10月18日判決は、野球賭博に関与していた被告人の常習性を検討する中で、被告人が過去に一口1万円で合計21口を賭けた野球賭博で罰金10万円の刑を受けていたことを認定しています。ただ、この被告人には胴元として関与していたことを窺わせる事情もあり、賭けたことだけで処罰されたのかは判然としません。
(3)運営・胴元・勧誘に関わった場合は正式裁判と拘禁刑の可能性
東京地方裁判所平成2年10月12日判決は、ポーカーゲームの客として賭けていた被告人に懲役4月・執行猶予2年の判決を言い渡していますが、胴元からの依頼でポーカー店の名義人になっていた事情が認定されています。
このように、運営する側との関わりがある場合には、客として賭けただけの場合よりも重く処罰される傾向にあります。
もっとも、公表されている裁判例が少ないだけで、オンラインカジノの利用者が正式裁判で拘禁刑(当時の懲役刑)を言い渡された事例も報道されています。
(4)不起訴(起訴猶予)になる余地はあるか
賭博罪には直接の被害者がいないため、示談によって不起訴を目指すという方法はとれません。それでも、胴元との関わりや常習性がないことを明らかにし、反省と再発防止の取組みを示すことで、起訴猶予による不起訴処分を目指せる場合があります。ギャンブル依存の治療に取り組むことや、贖罪寄付を行うことも検討材料になります。
(5)処分の重さを左右する事情
処分の重さは、利用していた期間、賭け金の総額、関与の形(客か、勧誘や運営に関わったか)、前科の有無などによって決まります。加えて、捜査に対して事実を認めて協力しているか、賭博をやめて依存の治療に取り組んでいるかといった、事件後の事情も考慮されます。できる限り軽い処分にするためにの弁護活動については、こちらのページで解説しています。
ご自身の関わり方でどのような処分が見込まれるか、警察に話す前にご相談ください。
お問い合わせフォーム/お電話:0120-845-018(受付時間7時~23時・土日祝日も受付)
5.違法賭博が発覚するきっかけと逮捕後の流れ
弁護士岡本 裕明
(1)店舗の摘発・決済記録・関係者の供述から発覚する
違法賭博の店舗が摘発された場合、店に残された記録や関係者の取調べから客が特定されることがあります。オンラインカジノでも、決済代行業者の記録などから利用者が特定されることがあります。
また、家族や知人への相談、借金の返済をめぐるトラブル、SNSへの投稿などがきっかけで発覚することもあります。最後に利用してから時間が経っていても、記録が残っている限り、後日捜査の対象になる可能性は否定できません。
警察から連絡が来るのは、自宅への訪問や電話による呼び出しの形が多く、いきなり逮捕されるのは、運営側への関与が疑われる場合や、証拠隠滅のおそれがあると判断された場合が中心です。
(2)逮捕された場合の流れ
逮捕された場合、警察は48時間以内に事件を検察官に送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを決めます。勾留されると最長20日間身体を拘束され、逮捕から起訴・不起訴の判断までは最長で23日間に及びます。逮捕後に早く釈放されるためにの弁護活動については、こちらで解説しています。
(3)逮捕されずに在宅で捜査・書類送検される場合
利用者として捜査を受ける場合、逮捕されずに自宅で生活しながら呼び出しを受けて取調べを受ける「在宅事件」となることも少なくありません。警察が捜査を終えて事件を検察官に送ることを「書類送検」といいますが、書類送検されたからといって、必ず起訴されるわけではありません。
(4)賭博罪の公訴時効
公訴時効は、単純賭博罪と常習賭博罪が3年、賭博場開張等図利罪が5年です(刑事訴訟法250条2項)。時効は最後に賭けた時から数えるのが原則ですが、常習賭博罪の場合は一連の賭博行為が一体として扱われます。
6.警察から連絡が来た・利用をやめて不安なときにすべきこと
弁護士岡本 裕明
(1)呼び出しや任意の事情聴取を受けたときの注意点
取調べでは、話したくないことを話さない権利(黙秘権)が保障されています。供述調書は一度署名すると後から内容を覆すことが難しいため、署名する前に内容を必ず確認してください。取調べの前に弁護士に相談しておくことをお勧めします。
(2)自首を考えるべきか
自首は刑の減軽事由になり得ますが、捜査機関に犯罪や犯人が発覚する前であることなどの要件があります。自首するかどうかは事案によって判断が分かれますので、弁護士と相談して決めることが大切です。詳しくは自首についてのページをご覧ください。
なお、入出金の履歴やアカウントを削除する行為は、証拠隠滅と受け取られるおそれがありますので避けてください。
(3)賭博をやめ、再発防止の取組みを始める
まずは賭博をやめることが第一です。やめたくてもやめられない場合には、ギャンブル依存症の可能性があります。各都道府県の精神保健福祉センターなどの公的な窓口で相談することができます。
(4)家族ができること
ご家族が本人の賭博に気づいた場合には、責めるよりも、まず事実を確認し、早めに弁護士や相談窓口につなげることが大切です。ご家族の監督は、処分の判断でも考慮される事情になります。
オンラインカジノの利用には、借金を伴っていることも少なくありません。ご家族が借金を肩代わりする前に、借入れの状況を把握し、必要に応じて債務整理も含めて専門家に相談することをお勧めします。依存症の回復には時間がかかることが多く、家族向けの相談窓口や家族会を利用することも一つの方法です。
7.前科がつくと生活にどう影響するか
弁護士岡本 裕明
(1)罰金(略式命令)でも前科になる
略式手続で罰金を納めて終わった場合でも、有罪判決を受けたことになりますので、前科になります。「略式なら前科はつかない」というのは誤解です。
(2)勤務先・学校・資格への影響
前科があることを理由に、勤務先の就業規則に基づく処分を受けたり、一定の資格に影響が生じたりすることがあります。公務員の場合は、拘禁刑以上の刑に処せられると失職するのが原則ですし、罰金であっても懲戒処分の対象になり得ます。民間企業でも、就業規則に「刑事事件で有罪となったとき」を懲戒事由として定めている例は多くみられます。職場への影響が心配な方は、学校や職場に知られたくない方へのページをご覧ください。
(3)実名報道のリスク
報道されるかどうかは事案によりますが、著名人の事案や、組織的な賭博の摘発に関わる事案では報道されることがあります。
8.違法賭博の事件を弁護士に依頼するメリット
弁護士岡本 裕明
(1)取調べへの対応を事前に準備できる
取調べで何を話すかは、常習性や関与の程度の判断に直結します。事前に弁護士と事実関係を整理しておくことで、事実と異なる調書が作られることを防げます。
(2)常習性や関与の程度について事実を整理して主張できる
オンラインカジノや店舗が主催する賭け事に参加した場合、賭博罪に当たらないとして無罪を主張できるケースは限られます。むしろ、胴元との関わりや常習性を否定するなどして、起訴猶予処分を目指す弁護方針が中心になります。
逆に、主催者がおらず参加者の合意だけで賭け事が行われていた場合には、事実関係を精査したうえで、賭博罪の成立を争う余地が残されています。
(3)不起訴・略式・執行猶予に向けた活動ができる
再発防止の取組みや家族の監督体制を整え、検察官や裁判所に示すことで、不起訴や執行猶予付き判決を目指します。
具体的には、オンラインカジノのアカウントの利用を停止したことや、依存症の専門医療機関を受診していること、ご家族が金銭の管理に協力していることなどを、資料とともに示していくことになります。何を示せば有利な事情として受け止められるかは事案によって異なりますので、早い段階から準備を始めることが大切です。
(4)逮捕された場合に早期の釈放を目指せる
逮捕された場合には、勾留を避けるための意見書の提出など、早期の釈放に向けた活動を行います。
当事務所は刑事事件を専門に扱っています。弁護士費用についてはサービス・弁護士費用のページをご覧ください。
違法賭博・オンラインカジノの刑事事件は、当事務所にご相談ください。
お問い合わせフォーム/お電話:0120-845-018(受付時間7時~23時・土日祝日も受付)
9.まとめ
弁護士岡本 裕明
違法賭博の法定刑は、単純賭博罪が罰金又は科料、常習賭博罪と賭博場開張等図利罪が拘禁刑です。罰金で終わるか拘禁刑になり得るかは、常習性と関与の形によって分かれます。
海外のオンラインカジノも賭博罪の対象であり、2025年にはサイトの紹介や誘導も禁止されるなど、規制は強まっています。
警察から連絡が来た場合には、話す前に弁護士にご相談ください。
賭博の件で不安がある方は、お早めにご連絡ください。
お問い合わせフォーム/お電話:0120-845-018(受付時間7時~23時・土日祝日も受付)









