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その他の薬物に関する事件の解決実績

その他の薬物に関する事件

① 知人から運搬を依頼された荷物の中に麻薬が隠匿されていたとして,
  麻薬特例法違反等によって逮捕された事案において,
  薬物についての故意がないことを理由に不起訴処分を得られた事例
  (麻薬特例法,大麻取締法違反被疑事件)

【事案の概要】

日本人の奥様と結婚して,日本で就業・居住していた御依頼者様が,同郷の知人の依頼を受け,同人から紹介された外国籍の女性から預かったダンボールを,知人が指定する建物に運び入れたところ,張り込んでいた警察官に,麻薬特例法(国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律)違反の罪で逮捕されたという事案において,奥様から依頼を受け,弁護人として選任されました。
今回問題となった荷物の中には3000gを超える大麻が梱包されていたところ,捜査機関は日本にその荷物が持ち込まれた際に中身を確認しており,中の大麻を取り除いた上で,送付先として指定されていた外国籍の女性に送り届けさせており,御依頼者様に引き渡されたときから,御依頼者様を尾行していたようでした。所謂,クリーンコントロールドデリバリーの事案でした。

【結果】

御依頼者様は,一貫して,大麻を運ばされていたとは知らされていなかったと主張しておりましたので,故意及び共謀がなかったことを検察官に対して主張しました。その結果として,麻特法違反及び大麻取締法違反の罪,両者について,不起訴処分を得る事が出来ました。
違法な薬物を海外から輸入する事案においては,大量の違法薬物が一度に運び込まれるケースが多く,そのような場合は営利目的による犯行であることは明らかですから,起訴されて有罪判決が宣告されてしまうと,10年近い長期の懲役刑が宣告されてしまう可能性があります。ですから,御依頼者様の人生が正にかかっているのです。
違法な薬物の輸入事案については,御依頼者様自身がその薬物を日本国内に持ち込む運び屋となってしまうケースと,本件のように,国内に持ち込む際には国際郵便等の手段がとられ,国内でその荷物を受け取るようなケースがあります。いずれの場合においても,荷物の中身が違法な薬物であるとは知らなかったとして,故意や共謀が争われるケースが極めて多いです。したがって,捜査機関も,違法な薬物が入っているとは知らなかったとする弁解に対しては,極めて懐疑的な態度で取調べに臨みます。
本件において,御依頼者様は箱の中身を確認することはありませんでしたから,捜査機関としては,荷物が国内に運び込まれた経緯や,御依頼者様が荷物を建物に運び込むまでの経緯から,御依頼者様が違法な薬物を輸入することについての故意や共謀があることを推認する必要がありました。このような場合,黙秘権を行使することも,有効な弁護活動になります。
本件においては,氏名不詳者から荷物を受領している等,共謀や故意を推認させる事実が認められる事に加え,弁護人選任段階で一定の内容を捜査機関に対して供述していたことから,黙秘権を行使するのではなく,何故,問題となったダンボールを運ぶに至ったのかについて捜査機関に対して説明することとしました。この際には,ダンボールを運ぶことになった経緯について,その詳細を自身の心情とともに正確に説明できるかが問題となります。曖昧な供述しかできないのであれば,黙秘権を行使することを選択した事案と言えたでしょう。
結果的に,御依頼者様は犯罪組織に利用されたに過ぎず,犯罪組織の一員ではないとの弁護人の主張に理解が得られ,不起訴処分を得ることができました。黙秘権を行使するかどうかの選択を正しく行えた一例と言えるでしょう。

 

② 海外居住の友人から送付された機器の中に覚せい剤が隠匿されていたとして,
  麻薬特例法違反等によって逮捕された事案において,
  薬物についての故意がないことを理由に不起訴処分を得られた事例
  (覚せい剤取締法,大麻取締法違反被疑事件)

【事案の概要】

日本で生活しており,永住権も取得していた御依頼者様が,母国の友人とビジネスを始めることとなり,当該ビジネスに必要だと伝えられ,御友人が国外から郵送した機器を受け取ったところ,張り込んでいた警察官に,麻薬特例法(国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律)違反で逮捕されたという事案において,奥様から依頼を受け,弁護人として選任されました。
この件についても,捜査機関によるクリーンコントロールドデリバリーが行われており,捜査機関は約1kgもの覚せい剤を既に押収しておりました。

【結果】

本件における御依頼者様も,一貫して,覚せい剤が機器の中に隠匿されていたとは知らされていなかったとして,故意及び共謀がなかったことを理由に無罪を主張していました。
上で紹介させていただいた事案とは異なり,御依頼者様は荷物を運び込むなどしておらず,御友人が指定した場所に荷物を受け取りに赴いただけでしたし,他に,御依頼者様自身が違法な薬物を取得するために動くようなことはしておりませんでした。
他方で,御友人との間では様々なビジネスを展開する予定であったため,メールや金銭のやり取りが多く,御友人が行方をくらましてしまったため,その内容を裏付ける証拠がない状況にありました。
したがって,御依頼者様が,本件の経緯を説明できるものではなく,自身の潔白について具体的な証拠に基づいて弁解できるものでもなかったため,黙秘権を行使することとしました。その結果,御依頼者様が薬物に関する犯罪組織の一員であるとの証拠を見出すことは出来ず,御依頼者様は不起訴処分となりました。
冤罪で逮捕されてしまった場合,御依頼者様としては捜査機関に対して様々なことを伝えたがっていることが多いです。しかしながら,既に逮捕状を執行している以上,捜査機関が真摯に被疑者の声に耳を傾けるとは限らず,既に被疑者が犯人であることを前提に,刑罰を免れようとする犯人の言い訳として御依頼者様の話を聞くことになります。このような状況下において,如何に真摯に無罪であることを主張しても,捜査機関には受け入れられないことは珍しくはありません。
ですから,黙秘権の行使は,そのような場合において有効なのです。本件については,黙秘権の行使によって,不起訴処分を得られた一例と言えるでしょう。

 

③ 合法な薬物であると誤解し,指定薬物とされている薬品の輸入を試みた
  という事案において,税関による告発を避け,
  通告処分によって事件を終結させた事例(医薬品医療機器等法違反)

【事案の概要】

リラックスすることのできる薬品をインターネットで探していた御依頼者様が,日本国内においても適法な薬品であると誤解して,日本において指定薬物に指定されている成分の入った薬品を海外のサイトで購入したところ,東京税関において,その荷物が検査され,違法な薬品であることが判明しました。
税関から,医薬品、医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)及び関税法に違反する旨の連絡を受けた御依頼者様から相談を受け,代理人弁護士として選任されました。

【結果】

意図的に違法な成分の含まれた薬品を輸入しようとしたわけではないことについて,弁護士からも税関に対して主張したことによって,警察官や検察官による取調べを受けることなく,税関からの通告処分によって事件を終了させることができました。
税関における荷物検査によって,荷物の内部に違法な薬品が含まれていることが発覚した場合,警察官よりも先に税関の職員が,その事件を調査することがあります。
本件においても,税関職員によって,御依頼者様の調査は行われました。この手続は,厳密には警察官や検察官が関与しておりませんので,弁護士は,刑事訴訟法上の弁護人として活動することはできません。
しかしながら,弁護人としての立場が認められない場合であっても,税関職員による調査へのアドバイスや税関職員への働きかけについては,警察官や検察官による取調べや,検察官に対する働きかけと共通点がありますので,弁護士としては,刑事事件として,弁護人としての立場を得られるのを待つのではなく,税関職員による調査の段階から積極的に介入することを検討する必要があります。
本件においては,御依頼者様が購入した事実等については,インターネットの履歴等から明らかでしたので,日本において違法な薬物として指定されていたことを知らなかったことを前提に,刑事事件として御依頼者様に前科を付するのではなく,通告処分によることを目的に弁護活動を行いました。
そのために,違法な薬物であることを理解していれば,他の薬物を購入していたのであって,本件薬物を購入しなかったであろう事実等を強調し,税関職員に働きかけました。その結果として,本件は告発されることなく終えることができました。
覚せい剤や麻薬が大量に含まれた場合と異なり,医薬品医療機器等法違反については,寛大な処分を見込める場合が多くあります。ですので,刑事事件となってから弁護士を選任するのではなく,早い段階で御相談いただけることで,より軽い処分に抑えることも考えられるのです。本件はまさに早期の弁護活動が功を奏した事案と言えるでしょう。

 

④ 指定薬物を共犯者らと共に販売していたという事案において,
  違法薬物であることについての認識が弱く,共犯者間での地位も低いこと
  を強調したことで,不起訴処分を得る事が出来た事例(医薬品医療機器等法違反)

【事案の概要】

共犯者らから誘いを受け,指定薬物を販売する業務にアルバイトとして従事していた御依頼者様が,他の共犯者が逮捕されたことに伴い,警察官の取調べを受け,医薬品医療機器等法として逮捕された後,御家族の依頼を受け,弁護人として選任されました。

【結果】

麻薬や覚せい剤と比較すると悪質性の低い薬物であったことに加えて,共犯者間での地位も低く,違法な薬物を取り扱っていたことの認識も強固なものではなかったことを検察官に主張し,不起訴処分とすることを求めた結果,起訴猶予処分を得ることができました。
医薬品医療機器等法では,指定薬物を所持すること等が禁止されております。この法律は,麻薬及び向精神薬取締法において指定されている麻薬ほどではないものの,人体に悪影響を及ぼす危険性のある薬品について規制しています。したがって,指定薬物としての指定は,麻薬としての指定よりも簡単にされており,従前合法とされていたものが,指定薬物とされることによって規制対象となることが多く認められます。
本件における御依頼者様は,共犯者らが販売している商品の内容について深く認識することなく,共犯者の指示に従って,指定薬物を販売する業務に携わってしまいました。
このような場合であっても,薬物を販売するために所持していた場合には,営利目的が認められることになりますから,軽い犯罪だと安易に判断することはできません。
そこで,共犯者全体に営利目的が認められる場合であっても,御依頼者様としては,適法な商品を販売する業務に従事していた場合に得られる報酬とほぼ同額の報酬で働かされていたことや,販売している商品の内容について正確に把握できておらず,他の共犯者からも正確な情報を得られていなかったこと等を主張し,首謀者とは根本的に刑事責任の重さが異なることを主張しました。
その結果として,御依頼者様は,勾留期間満期日に釈放され,起訴猶予処分を得ることができました。本件についても,黙秘権を行使した場合には,共犯者らの供述如何によっては,共犯者らと同等の刑事責任を負わされていた可能性がありましたから,積極的に捜査機関に供述をしたことで,起訴猶予処分を得られた事例といえるでしょう。

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