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コラム

新型コロナの影響でDVが増加する?DV事件における刑事手続きとは。

 緊急事態宣言が出されてから1週間が経とうしています。その影響は多方面に及んでおり、今後の経済活動が不安視されております。
 また、経済活動以外にも、緊急事態宣言の影響は広がっており、その一つとして「コロナ離婚」という単語がインターネット上で散見されるようになりました。在宅勤務等を理由に、自宅で過ごす時間が増加することによって、家族間でのトラブルが増えているようです。そして、単なる離婚だけでなく、DVの増加も懸念されています。
 新型コロナウイルスの蔓延とDVとの間に直接の関連性はないように思えるのですが、国連女性機関(UN Women)や世界保健機関(WHO)等の国際的機関が、会見内においてDVの増加を懸念していますし、実際に諸外国においてはDVの増加が報告されている国もあります。
 そこで、今回は、DV事件について、刑事手続との関係を中心に解説させていただきます。

DV事件の特徴

警察の介入があり得る

 DVとはdomestic violenceの略語で、配偶者間や親子間等、親しい関係にある人から加えられる暴力を意味します。
 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律等、DVの被害者を保護するための法律等は別個に整備されていますが、暴力を加えた相手が配偶者等であることによって、成立する犯罪が変わる訳ではありません。
 つまり、配偶者に怪我を負わせた場合には、傷害罪(刑法第204条)が成立しますし、怪我の生じない程度の暴力をふるった場合には暴行罪(刑法第208条)が成立することになります。
 所謂DVといわれる事件については、傷害罪や暴行罪として立件されるケースが多いですが、その内容によっては、強制わいせつ罪(刑法第176条)や強制性交等の罪(刑法第177条)が成立することもあり得ますし、極端な事例では殺人罪(刑法第199条)や殺人未遂の罪が成立することも考えられます。
従前は、家庭内での出来事であることから、形式的には犯罪行為であっても、警察が介入する事件は限られていたようです。しかし、DVが社会問題となり、配偶者暴力防止法等も制定された現段階においては、刑事事件として立件されるケースは珍しくありません
 当たり前の話ですが、DVは犯罪であることを認識していただく必要があるでしょう。

夫婦関係等の調整

 DV事件においては、1度や2度の暴力ではなく、長期的に継続した暴力行為が問題となっていることが多く認められます。その理由として、被疑者と被害者が親密な関係にあることから、被害が長期に及ばない限り、捜査機関に対する被害申告を躊躇してしまうケースが多いものと考えられています。
 ですから、いざ警察署に連絡する際には、警察官に助けを求めなければいけないほどに、その行為がエスカレートしていることが多いのです。
DVが日常化してしまった場合、警察が介入するかどうかにかかわらず、その夫婦関係等を終わらせることを検討する必要があります。他方で、酷いDVを受けてきた被害者の方が必ず離縁を望むわけではありません。むしろ、夫婦関係の継続を希望し、警察官に通報してしまったことを後悔している方も多くいらっしゃいます。
 被害者が通報したことを後悔し、被疑者が通報されたことを恨むような歪んだ認識のまま同居を再開させた場合、DVが再び発生する危険性が高いことは明らかです。逆に、何らの話し合いもなくその関係性を終わらせることで、一方が他方のストーカーと化してしまうことも考えられます。
 ですから、夫婦関係を終わらせる場合でも継続させる場合でも、今後の関係性について真剣に考え直すことが必要です。全く無関係な第三者が被害者となる事件のように、示談さえ成立させれば解決できるものではないのです。

DV事件における逮捕・勾留・釈放について

逮捕・勾留される可能性が高い

 DV事件の内、殺人罪や強制性交等の罪が成立する場合には、その罪の重さから逮捕・勾留される可能性が極めて高いことは明らかです。しかしながら、暴行罪や傷害罪等、DV事件ではない場合には逮捕・勾留されることが少ない罪名であっても、DV事件においては逮捕・勾留されることが多いです。
 それは、DV事件においては、被疑者と被害者が同居していることが多く、逮捕・勾留することなく被疑者を釈放した場合、当事者が再度同居する状況になってしまいますから、再びDVが発生する可能性を懸念し、検察官や裁判官は被疑者を勾留しがちになります。
逮捕・勾留は、あくまでも捜査に必要な場合に認められるもので、将来的な犯罪を防ぐために行われる訳ではありません。逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがある場合に、それを防ぐために逮捕・勾留は認められることになります。
 この点、被害者は、被疑者による犯罪行為を証明するための重要な証人ですから、被害者に対して再度DVを行う危険性がある以上、被害者という証拠を隠滅するおそれは認められてしまうことになるのです。

釈放する必要性が高い

 ですから、DV事件の被疑者が逮捕・勾留されてしまうことに理由がない訳ではないのですが、一方でDV事件においては、被疑者を釈放させる必要性が高度に認められます
 上述したとおり、DV事件においては、被害者と示談を成立させれば解決できる訳ではなく、今後の夫婦関係をどうするかを検討しなければなりません。
 そして、夫婦関係の解消は、加害者にとっても被害者にとっても人生における大きな判断になりますから、十分に時間をとり、お互いの家族等とも相談した上で決断したい事柄のはずです。
 逮捕・勾留されたままでは、加害者から十分に話を聞く機会を確保することができません。これまでの夫婦関係を真摯に省みて、今後の関係性をどうするのかを決めるにあたっては、被疑者の身体拘束を解き、双方の家族等を交えて十分に協議させる必要があるのです。

釈放するための活動

 そこで、弁護人としては、被疑者を釈放できるように最大限の努力をする必要があります。具体的には、被害者の意に反して被害者に接触しないことを被疑者に誓約させることや、被害者側から嘆願書等を入手することも考えられます。
 また、検察官や裁判官は、被疑者を釈放した場合に、被害者と直ちに同居を再開してしまうことを懸念していますから、被疑者の実家等、夫婦関係等について十分な協議が行われるまでの間における被疑者の生活場所を確保すること等が求められます。
 一度勾留が認められてしまうと、検察官による終局処分が下される前に、被疑者が釈放されるケースというのは極めて例外的になりますが、事件直後に被害者と接触することは困難です。事件から数日経過した後に、夫婦関係を調整するための環境が整備できた場合には、それらの事情をもって、何度でも勾留を取消すように裁判官に求めるべきでしょう。

不起訴処分に向けて


 上述したように、DV事件においては夫婦関係等、被疑者と被害者の関係を調整する必要性が高度に認められます。法的な問題ではありませんが、弁護人が当事者の間に立って、その調整を担当する必要があります。
 一方で、弁護人は、刑事事件との関係で選任されている訳ですから、その一番の目標は夫婦関係の調整ではなく、捜査段階においては不起訴処分を獲得することになります。
 不起訴処分を得るための活動として、夫婦関係が調整されている事実等を主張することに加えて、カウンセラー等の専門家の協力を得ることもあります。
 DV事件は、突発的に行われるものではなく、長年の歪んだ夫婦関係等を背景に生じることが多く、その原因には多種多様なものが考えられます。
再犯可能性が低いことを検察官等に強調するためには、その原因を十分に掘り下げた上で、具体的な再犯防止策を提案する必要があります。

まとめ

 今回は、DV事件について解説させていただきました。
 社会的に何らの問題もないと思われている方であっても、家族に対する甘え等から、配偶者等に対して心ない言動を続けてしまう方はいらっしゃいますし、その結果としてDV事件に派生してしまうことも珍しくありません。
 DV事件の中には、夫婦関係の解消が不可欠な方もいらっしゃいますが、双方が夫婦関係の継続を望んでおり、実際に、幸せな家庭環境を作り直すために新たなスタートを切った方々もいらっしゃいます。
DV事件については、他の事件と比較すると、法的な問題以上に、それぞれの当事者の心情に寄り添った活動が求められるものと言えます。また、捜査機関との関係においては、早期の釈放を求めるために、できる限り早い段階で弁護活動を行う必要性があります
 DVについてのお悩みについては、一人で悩むのではなく、ぜひ専門家にご相談いただければと思います。

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