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コラム

児童相談所に一時保護されてしまった。いつ出られるのか?

簡単に言うと…
  • 一時保護の期間は2月。
  • 必要性が認められれば、制限なく延長されてしまう。
  • 付添人を選任することで早期に面会できることがある。
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弁護士
岡本 裕明
前回のコラムでは、児童相談所による一時保護について解説させていただきました。今回は、一時保護に至ってしまった場合に、いつになれば家庭に戻ることができるのかについて解説させていただきます。

 前回のコラムでは、一時保護について解説をさせていただきました。一時保護とは何なのか、一時保護が行われる要件等について解説をさせていただきましたので、気になる方は、「児童相談所に一時保護されてしまった。触法少年の身体拘束について」を是非御確認ください。
 しかし、前回のコラムでは、一時保護の開始時点の話だけしかすることができず、一時保護がどのようにして終わるのかについて解説することができませんでした。一時保護は暫定的・一時的な措置ですから、むしろその後の手続の方が重要になるはずです。今回は、その点について解説させていただこうと思います。
 この点について、令和7年の8月に、児童相談所での一時保護を嫌った児童が、児童相談所の職員に対してナイフを突きつけるという事件も起きていたことが報道されており、児童を保護するための手続でありながら、一時保護を受け入れられない児童が一定数存在しそうだということも明らかになっています。
 前回と同様に、今回のコラムは触法少年との関係における一時保護の事案を前提とさせていただきますので、虐待事件に関しては、コラムの対象外とします。虐待行為を理由に、取調べを受けられているようであれば、早急に弊所に御相談いただければと思います。

児童相談所に一時保護されてしまった。いつ出られるのか?[

1.一時保護とは

弁護士
岡本 裕明
そもそも一時保護とは何なのかについて、法律の条文と共に確認してみましょう。

 では、一時保護がどの程度継続する手続なのかについて確認してみましょう。

児童福祉法

第33条12項
第1項及び第2項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から2月を超えてはならない。
第33条13項
前項の規定にかかわらず、児童相談所長又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、引き続き第1項又は第2項の規定による一時保護を行うことができる。
第33条14項
前項項の規定により引き続き一時保護を行うことが当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反する場合においては、児童相談所長又は都道府県知事が引き続き一時保護を行おうとするとき、及び引き続き一時保護を行った後二月を超えて引き続き一時保護を行おうとするときごとに、児童相談所長又は都道府県知事は、家庭裁判所の承認を得なければならない…。

 以上のとおり、原則として一時保護は2月で終了となります。しかしながら、第13項は、「必要があると認めるとき」という抽象的な条件で一時保護を延長することを認めています。そして、この延長期間について特に制限は付されていないのですが、第14項において、2月毎に、家庭裁判所の承認が必要になる旨が定められていますから、実質的には2月毎に更新されていくことになります。
 実際のところ、地方では一時保護に付される期間は短いところも多いようなのですが、東京等の都心では2月近く一時保護とされてしまうケースが多いようです。
 なお、家庭裁判所の承認が必要となるのは、親権者の「意に反する場合」に限られる点に注意が必要です。これは、「同意を得られなかった場合」と同じではありません。意に反することが明らかでない場合には、「意に反する場合」には該当しません。保護者として、自分達の子供を家庭に返して欲しいと考える場合には、明確に一時保護の延長に反対の意見を述べる必要があるでしょう。
 このように更に2月の間、一時保護を延長するかどうかを判断するための家庭裁判所の手続を「引き続いての一時保護の承認審判」又は「33条審判」といいます。

2.33条審判

弁護士
岡本 裕明
33条審判では、どのような点が判断されることになるのでしょうか

 では、どのような場合に一時保護が延長されることになるのでしょうか。
 一時保護の目的は、「児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため」又は「児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため」ですから、この目的が達成されているかどうかによって、判断されることになるでしょう。
 一時保護はあくまでも一時的・暫定的な措置です。ですから、保護者の下に帰らせることが不適切だと判断された場合には、そのまま一時保護を延々と続けるのではなく、家庭裁判所に送致した上で、家庭裁判所の判断によって児童自立支援施設等への送致を求めることになります。つまり、一時保護が終われば、必ず家庭に戻ってくる訳ではないのです。
 もっとも、一時保護が続いている以上、一時的・暫定的に、親子が一緒に生活することができない環境が継続することとなってしまいますから、できる限り、一時保護の期間を短くすることが求められるでしょう。
 では、33条審判というのは、どのような審判なのでしょうか。
 東京高等裁判令和2年10月5日判決は、33条審判によって一時保護の延長の承認を児童相談所側が求めたものの、家庭裁判所がこれを却下したため、児童相談所側が高等裁判所に抗告したという事案です。虐待の事案ですから、触法少年の事件とは少し異なりますが、「本件受傷が、親権者らの虐待により生じたことが疑われると判断したのであれば、これを前提にして、児童に対する具体的な処遇が検討されて然るべきであるが、親権者らは、児童相談所の担当者との面接に応じ、代理人弁護士を通じて安全プランを提出するなど、一貫して児童相談所の指導に従う姿勢を示していたにもかかわらず、抗告人は、親権者らに対し、親権者らが提示した安全プランを否定するばかりで、具体的な指導をすることがなく、…児童を施設等に入所させる準備等をしていた形跡もない。」などと判示して、児童相談所側の抗告を棄却しました。
 触法少年との関係では、大阪高等裁判所平成30年7月30日判決があります。こちらも先程の判決と同様に、一時保護の延長の承認が却下されてしまったため、児童相談所が抗告したというものです。
 大阪高判は、「本件は、児童が、複数回にわたり、年少女児に対して強制わいせつ行為に及んだという重大事案であるところ、児童には発達障害の傾向があり感情や興味をコントロールする力が弱いなどの特性があった…。児童の心身の状況,その置かれている環境その他の状況を把握するため、一時保護を継続し、把握した状況に応じて、児童福祉司等による児童及び保護者に対する指導の措置…を採る必要性があった」などとして、一時保護を認めています。

3.面会

弁護士
岡本 裕明
これまで一時保護の要件について解説させていただきました。では、一時保護期間中の面会は可能なのでしょうか。

 一時保護の目的が、「児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため」又は「児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため」であり、触法少年との関係では特に後者が問題となるであろうことからすれば、触法少年自身やその保護者との間で、要保護性を解消するための環境整備ができているかどうかという点が、一時保護を終了させられる大きなポイントになるのではないかと思います
 そして、触法少年の場合、保護者が問題行動を未然に防げなかった点が問題となる訳ですから、二度と同じ過ちを犯すことがないように指導・監督させるためには、早期に親子間での協議が求められることになります(触法行為に及んでいないことを理由とする場合には、その旨を主張することになるでしょう。もっとも、家庭に問題があると判断されそうな事情がある場合には、触法行為に及んでいないことに加えて、環境が改善されている旨の主張も併せて行うべきでしょう。一時保護はあくまでも、児童のために行われるものと考えられているからです。)。
 しかし、警察署と異なり、一時保護の場合、自由に保護者が児童と面会することが許されていないのです。そして、その根拠もハッキリしている訳ではありません。面会を控えるような内容の行政指導として理解されることもありますが、単なる行政指導だと考えた場合、指導に強制力はありませんから、面会が許されないということはないはずです。一応、児童相談所に認められている「監護等の措置」として、児童の面会相手を決めることができると解釈されていますが、行政指導として理解している裁判例も存在し、確立した考え方が存在しないのです。

4.付添人による弁護活動

弁護士
岡本 裕明
両親でさえ面会できない場合に、弁護士ができることは何かあるのでしょうか。

 両親でさえ面会ができない場合において、その両親から依頼を受けた弁護士に何かできることはあるのでしょうか。
 実は、弁護士であっても、直ちに面会することが許されないケースは存在します。それは、触法行為が問題となって一時保護に付されている場合であっても、家庭環境に問題があると評価されてしまうケースも多いからです。虐待に及んでいる親から依頼を受けた弁護士と会わせるべきでないと判断されてしまうケースも存在するのです。
 しかしながら、触法行為が問題となっている場合、警察官による調査が行われる可能性があります。大人の事件についての捜査とは区別されているのですが、警察官から事情を聴かれることになるという点では共通しています。ですから、そのような場合における少年にも、弁護人を選任する権利は認められると理解されています(触法事件においては、家庭裁判所に送致される前の段階であっても、弁護人ではなく付添人と称されます)。
 したがって、付添人としても、少年と面会する権利があるといえますので、実の両親よりも、面会を求め易いものといえます。
本来的には、付添人であれば、児童相談所の職員の立会なしに面会が認められるべきではあるのですが、早期の面会を実施するにあたって、職員の立会の下で面会を行ったこともありますし、両親の面会が許可される前の段階から、付添人であれば面会が許可されるケースが多いものといえるでしょう。

5 まとめ

弁護士
岡本 裕明
一時保護については、法律の仕組み自体がしっかりしていない点が残されており、十分に説明ができていない点もあったかもしれません。

 前回のコラムでもお話し差し上げた通り、一時保護については、法律が十分にその内容を定義できているとはいえません。現在の運用について、法的な根拠づけがしっかりされていない部分も散見されます。
 したがって、ケースバイケースとしかいえない部分が比較的大きくなってしまう分野といえるでしょう。ですから、今回の解説を読んでも、御自身やお子さんが置かれている状況がハッキリわからないようでしたら、御気軽にご相談ください。

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